ミカン粕サイレージ給与は血中、乳中のβ-クリプトキサンチン濃度を増加させる

タイトル ミカン粕サイレージ給与は血中、乳中のβ-クリプトキサンチン濃度を増加させる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 田中正仁
鈴木知之
神谷裕子
発行年度 2010
要約 食品加工残渣である温州ミカンジュース粕(ミカン粕)はサイレージ調製により保存が可能で、泌乳牛用混合飼料に乾物あたり20%混合すると血中および乳脂肪中のβ-クリプトキサンチン含量が顕著に増加する。
キーワード 温州ミカン粕サイレージ、泌乳牛、β-クリプトキサンチン、泌乳成績
背景・ねらい ミカン粕は、可消化養分総量が高いので牛の飼料として有効であると考えられているが、水分含量が高いため酪農現場では扱いにくく、利用が進んでいない。しかし、ミカン粕には抗酸化性を示すβ-クリプトキサンチンが豊富に含まれており、夏季の泌乳牛における抗酸化飼料として有効であると考えられる。そこで温州ミカン粕が泌乳牛用混合飼料素材として活用できること及びβ-クリプトキサンチンの血中および乳中への移行について検討する。
成果の内容・特徴
  1. ミカン粕サイレージを乾物あたり20%含有する泌乳牛用混合飼料(ミカン粕TMR)(表1)の給与は、泌乳牛の血球数、肝機能指標等の血中成分値(表2)や乳量および主要乳成分含率(表3)に影響を及ぼさない。
  2. ミカン粕サイレージの給与により泌乳牛の血中および生乳中乳脂肪画分の抗酸化物質でカロテノイドの一種であるβ-クリプトキサンチン濃度は顕著に増加する(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 酪農における食品加工残渣の飼料利用の際の参考となる。
  2. 機能性成分を多く含む、差別化生乳生産の資料となる。
  3. 混合割合を乾物あたり20%にすると、組み合わせる飼料によっては生乳、とくに乳脂肪画分が淡黄色を有し、柑橘系の風味が移行する場合がある。
図表1 234796-1.png
図表2 234796-2.png
図表3 234796-3.png
図表4 234796-4.png
カテゴリ 温州みかん 加工 機能性成分 乳牛

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