タイトル |
キャベツ箱詰装置 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 |
2006~2010 |
研究担当者 |
貝沼秀夫
藤岡 修
大森定夫
紺屋朋子
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発行年度 |
2010 |
要約 |
キャベツを1個ずつトレイで搬送し、箱に収まり易いように斜めに整列させた後、箱をかぶせ、それを反転させることで箱詰めを行うことができる。キャベツ8個の箱詰めを29秒程度で行える。
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キーワード |
キャベツ、箱詰め、トレイ、反転
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背景・ねらい |
これまでに生研センターでは、キャベツ収穫機や出荷用途に合わせて外葉の切り直しを行う調製ラインを開発してきており、高能率な機械化生産体系を構築するためには、最終工程である出荷容器へキャベツを収容する作業の機械化を図る必要がある。そこで、現在、流通方法の主流である段ボール箱にキャベツを詰める装置を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本装置は、供給部、整列部、箱保持部、反転部、トレイ回収部から構成されており(図1、表)、キャベツを1個ずつトレイで搬送し、箱に収まり易いように斜めに整列させた後、箱をかぶせ、それを反転させることで箱詰めを行うことができる。
- 作業者が、供給部にトレイを載せ、さらにその上にキャベツを載せることで、キャベツの供給を行う。供給部の運転・停止は、作業者がスイッチ操作で行う。そのため、キャベツ姿勢の手直しなども機械に追われることなく行うことができる。
- 供給部の1つのラインは、速度差のある2列のベルトで構成されている。その上に置いたトレイは、2列のベルトの速度差によって回転しつつ搬送されるが、トレイ底面が楕円形であり、かつガイド間隔が14cmとトレイ底面の楕円長径17cmより狭いため、45°程度の角度がついた状態で回転が止まり、その状態で搬送される。これにより、キャベツを箱に収まり易いように斜めに整列させることができる(図2)。また、供給部と整列部が分割されていることにより、整列部で箱のかぶせや反転部への送込みを行っている間でも、次の箱に入れるキャベツの供給を連続して行うことができる。
- 箱保持部は、吸引ブロワで空の箱底部を吸着して保持し、エアシリンダによって昇降する構造で、整列したキャベツへの箱かぶせ動作を行うことができる。
- 反転部は、箱を保持するフレームと駆動モータから構成されている。フレームの中に箱が収まった状態で反転させるため、反転動作の後半においても、箱が急激に落下することもなく、キャベツの損傷もほぼ発生しない。また、箱の中にトレイが落下することを防止するため、磁石でトレイをフレーム側に保持する構造を備えている(図3)。
- 本機を利用しての箱詰め作業は、1箱当り29秒程度で手作業の40%程度である。[機械作業は、品種「おきな」、平均重1.6kg、平均球径19.5cm、平均球高13.5cm、15箱連続作業2反復より。手作業は平成14年度生研機構事業報告より。]
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成果の活用面・留意点 |
- 本装置の適応キャベツや適応段ボール箱は表中に示すとおりで、これ以外のサイズのキャベツや箱の場合は、トレイ寸法やライン幅等を変更し、整列の角度を含め調整する必要がある。
- 本装置では、キャベツの供給者と空箱供給者の2名作業であるが、共同調製施設で用いる場合、製函機などと組合せ空箱供給の部分は省人化する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
機械化
キャベツ
収穫機
出荷調整
品種
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