タイトル | 温度が土壌からの温室効果ガスの発生・吸収に及ぼす影響を自動連続測定できる実験装置 |
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担当機関 | (独)農業環境技術研究所 |
研究期間 | |
研究担当者 |
米村正一郎 杜 明遠 横沢正幸 岸本文紅 和穎朗太 |
発行年度 | 2010 |
要約 | 土壌による温室効果ガス等の微量ガスの発生量や吸収量を正確にかつ連続的に測定するために、環境精密制御型の実験装置を開発しました。土壌を入れたチャンバーごと培養器内に格納し、温度変化に対するガス発生・吸収量の変化を自動的に測定できます。 |
背景・ねらい | 圃場の土壌は、さまざまな環境要因を受けて、温室効果ガスを吸収したり、逆に発生したりします。農業が地球温暖化に及ぼす影響を評価するためには、ガス発生・吸収量の変動要因の解明が重要で、環境を精密に制御した実験が不可欠です。しかし、従来の実験では手作業でガス分析が行われており、環境変化に対する温室効果ガスの発生・吸収機構を詳細に研究するためには、自動連続測定できる実験装置が求められていました。 |
成果の内容・特徴 | 通気式チャンバー法を用いて、温度環境を精密に制御し、かつ自動的に変化させながら、採取した土壌のガス交換量(吸収量または発生量)を測定する実験装置を開発しました。この装置は、システム制御部、流量・導入ガス濃度制御部、チャンバー搭載温調部(-20~80℃の範囲で制御可能)で構成され、測定対象とするガスの分析部を接続して、実験を行います(図1)。チャンバー全体を培養器内に格納し、あらかじめ設定したプログラムにしたがって、培養器内の温度と土壌の雰囲気ガス濃度を自動的に制御します。バルブを切り替えることにより、4つの土壌サンプルを同時に、しかも温度を変化させながら連続的に測定することができる(図2、二酸化炭素の例)ので、温度変化が土壌のガス交換に及ぼす影響を容易に実験することができます。たとえば、土壌がいったん高温にさらされた後には、それ以前に比べて二酸化炭素発生量やメタン吸収量が低下する現象を、定量的に観察することができます(図3)。 本実験装置は、土壌によるガスの交換過程における環境要因の動的な影響を解明するために有効です。これにより、圃場でのモニタリングや環境制御実験の結果にみられるガスの発生・吸収量の環境応答を正しく理解し、土壌のガス交換モデルの高度化を通じて、農業生態系によるガス交換量の見積もりを精緻化することが期待されます。 |
成果の活用面・留意点 | 本研究の一部は農林水産省委託プロジェクト研究「地球温暖化が農林水産業に及ぼす影響の評価と高度対策技術の開発」による成果です。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 環境制御 モニタリング |