タイトル | 土佐湾のプランクトンモニタリング |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 中央水産研究所 |
研究期間 | 2006~2010 |
研究担当者 |
杉崎宏哉 日高清隆 豊川雅哉 市川忠史 児玉真史 宇田川徹 廣田祐一 |
発行年度 | 2010 |
要約 | いわし類やさば類の産卵場や成育場となっている土佐湾で、動植物プランクトン量をモニタリングして長期変動を調べた。その結果、土佐湾では植物プランクトンは冬から春に多くなるが、2000年頃を境にピークの時期が早期化しているのがわかった。動物プランクトン量のピークは植物プランクトンのピークの1ヶ月ぐらい後に出現し、その時期も早期化していたが、2010年には再びピークの時期が遅れぎみだった。 |
背景・ねらい | 黒潮より陸側の海域(内側域)はいわし類やさば類の産卵場や成育場となっており、特に土佐湾はマイワシの主要な産卵場となっている。これらの魚の餌料プランクトン現存量水準や現存量がピークを示す時期は年により変化する。これらの変化と、仔稚魚の生き残りや成長との関係を解明するため、餌料プランクトンのモニタリングを実施している。また、モニタリング結果は、本邦南岸で広域にわたって行われる多獲性浮魚類の卵稚仔調査が、餌料プランクトンの増加過程に行われたのか減少過程に行われたのかを判断する材料となると期待される。 |
成果の内容・特徴 | 土佐湾に数定点を設けて、毎月1~数回のプランクトン調査を実施している。土佐湾の湾口部定点におけるクロロフィル量および網目幅0.33mmのノルパックネットで採集し、計測したかいあし類の体積の季節・経年変動を調べた。クロロフィル量は秋から冬に一度増加した後減少し、冬から春にかけて最も多くなることがわかった。また、夏にも湧昇の影響を受け増加することが観察された。冬から春にかけてのピークは1990年代は主に3月から4月頃に出現したが、2000年代に入って以前より早まり、2月から3月初めに出現するようになった(図1)。一方かいあし類の量のピークはクロロフィルのピークより1ヶ月ほど遅れて出現し、2000年代に入ってからはその量が減少傾向にあった(図2)。2010年はかいあし類のピーク時期は再び遅くなっている。8月から10月頃のかいあし類量は、冬春季とは逆に、2000年代に入りやや増加傾向にある。 |
成果の活用面・留意点 |
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図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | モニタリング |