タイトル |
TDR土壌水分計による鉢内培養土の水分量計測 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1997~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
背景・ねらい |
鉢物潅水の自動化において、容積が限られ、有機物や空気量が多い鉢物培養土の土壌水量を非破壊的、継続的に計測することは極めて困難である。そこで、絶対乾燥から飽和までの土壌水分を計測できるTDR土壌水分計を用いて、鉢内水分量の計測ができるかについて検討する。
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成果の内容・特徴 |
- TDR土壌水分計はCampbell Scientific 社のCS615を用い、これは直径3.2mm、長さ30cm の2本のステンレス棒のロッドを有する。ロッドを土壌に差し込んで計測するが、鉢内を計測するため10cmに切断する。計測においては鉢側壁に2ヶ所の穴を開けて外側より水平方向にロッドを挿入するか、又は直接土壌表面から縦あるいは斜めに差し込む。ロッドを斜めに差し込むことにより、簡便かつ平均的な水分計測ができる。
- 調整ピートモスを充填した15cmプラスチック鉢における部位ごとの水平方向の水分量は、検定曲線を求めることにより計測できる(図1)。また、内径11cmの小鉢でも10cm長のロッドを鉢表土から斜めに挿入することによって計測できる。
- ピートモスとパーライトとの混合培養土の場合は、混合割合の違いによる検定曲線の差はほとんどない。
- 田土と腐葉とを異なった割合で混合した場合の鉢培養土の水分量は、腐葉含量が多いほど空隙が多くなるため異なる検定曲線を示す(図2)。
- シクラメンのエブアンドフロー底面給水栽培において、データロガーを使って鉢内水分量の変化を継続的、かつ正確に計測できる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 従来、計測が困難であった鉢内培養土水分を非破壊的、継続的に計測可能となり、今後、明確な水分計測による鉢物潅水の自動化や、鉢物の水分管理に関する研究に活用できる。
- 培養土の種類によっては検定曲線の作成が必要である。
- TDR土壌水分計で計測される栽培中の培養土水分量には根の水分量も含まれる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
シクラメン
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