タイトル |
非破壊測定によるあんぽ柿の品質測定 |
担当機関 |
島根農技セ |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2008 |
要約 |
携帯型分光光度計を用いた非破壊測定により、あんぽ柿の水分と糖度の簡易で迅速な推定が可能である。あんぽ柿製造における乾燥終了の判定には、糖度推定による検量式が判定誤差が少ない。
|
キーワード |
携帯型分光光度計、西条柿、あんぽ柿、水分、糖度、乾燥終了判定
|
背景・ねらい |
近年、果実加工品として製造出荷量の増加している西条柿のあんぽ柿は、市場評価は高いものの、現場作業員の目視による乾燥終了判定に頼っているため、製品品質が安定せず、品質保持についての問題を抱えている。そこで、携帯型分光光度計による、迅速簡単なあんぽ柿成分の非破壊測定法を開発し、品質判定に用いることで製品品質の向上を目指す。
|
成果の内容・特徴 |
- (株)クボタ製、携帯型分光光度計フルーツセレクター(K-BA100型)を用いることで、西条柿あんぽ柿の水分ならびに糖度の、非破壊測定による検量式を得ることができる(表1、図1)。
- 上記の水分検量式を用いて、現地加工施設における評価試験を行うと、乾燥終了目安である範囲内(42~45%)の判定ミスは全体の18%となり、乾燥終了判定の参考として利用可能である(図2)。
- 糖度の検量線を用いた判定では、乾燥終了目安である範囲内(55~58%)の判定ミスは全体の8%にとどまり、あんぽ柿加工現場における乾燥終了判定に利用できる(図3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 今回得られた検量式をフルーツセレクターに導入することで、西条柿のあんぽ柿製造現場における客観的な乾燥終了判定の目安とすることが可能であり、製品出荷後の包装袋内への水分の滲出や、過乾燥に伴う糖結晶の析出等によるクレームを低減できる。
- あんぽ柿中に含まれる種子の有無による推定値への影響は少ない。また、結晶化した糖については、実際の測定結果には反映されず、誤差として現れる。
- 糖度の検量線で乾燥終了目安の上限と判定された製品については、乾燥がもう一段進んだ干し柿製品である「ころ柿」として流通させることができる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
加工
乾燥
出荷調整
品質保持
|