野菜トラップによるスクミリンゴガイの捕獲

タイトル 野菜トラップによるスクミリンゴガイの捕獲
担当機関 奈良農総セ
研究期間 2007~2007
研究担当者 国本佳範
西川 学
発行年度 2008
要約
水田内を移動しながらスクミリンゴガイを拾い取る捕獲方法に比べ、水田内や水田周囲に設置した野菜トラップに集まった貝を拾い取る方法は、短時間で貝を捕獲でき効率的である。
キーワード スクミリンゴガイ、捕獲、拾い取り、野菜トラップ、水田、作業時間
背景・ねらい
スクミリンゴガイに対して、浅水管理やロータリー耕耘などの防除法が実用化されている。しかし、前者は田植え後に降雨量が多い場合には実施できないし、後者は栽培時期に直ちに防除したい場合に実施できない。一方、有望な農薬もあるが、生産現場からは農薬の使用回数を削減した防除体系が望まれている。そのため、生産現場では水田内での貝の拾い取りが実施されている。そこで、その作業時間の短縮と労働負担の軽減を図る。
成果の内容・特徴
  1. 水田内に半分に切断したナス、スイカ等を水没するようにグラスファイバー製の支柱で固定した野菜トラップを設置し、ここに集まる貝を捕獲する(図1)。トラップの野菜は数日おきに交換する。
  2. 水田内を歩きながら貝を拾い取る方法では、1回の作業に約536分/10aを要し、全体の約68%の貝しか捕獲できない(表1)。これに対し、水田内に野菜トラップを格子状に約3m間隔で設置(計28ケ所)し、集まった貝を拾い取る場合は、同一日の午前と午後の2回の捕獲で同程度の捕獲割合(約72%)になり、これにかかる作業時間は約319分/10aである(表2)。
  3. 小規模水田の畔際に野菜トラップを設置する場合(1ケ所)、水田内に入らずに貝の回収が可能である。しかし、約70%の貝を捕獲するのに9日を要する(表3)。作業時間は水田内に野菜トラップを設置する場合よりも短縮できる。
  4. 殻高1cm程度の幼貝は野菜トラップではあまり捕獲できない。
成果の活用面・留意点
  1. 今回の結果は小規模な水田での成果である。
  2. トラップに集まった貝は毎日回収する。
  3. 野菜の種類により選好性が異なる。ナス、スイカ以外にはメロン、レタス、イネ科牧草への選好性が高いことが知られている。
  4. 寄生虫が寄生している可能性があるので捕獲作業時には必ず、ビニル手袋を着用する。
  5. 捕獲した貝は他所へ分散しないよう土中に埋没するなどして処分する。
図表1 234987-1.jpg
図表2 234987-2.jpg
図表3 234987-3.jpg
図表4 234987-4.jpg
カテゴリ 病害虫 シカ すいか 水田 スクミリンゴガイ なす 農薬 防除 水管理 メロン レタス

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