イチゴの着色を改善できる可動式果実架台の開発

タイトル イチゴの着色を改善できる可動式果実架台の開発
担当機関 愛媛農水研
研究期間 2008~2008
研究担当者
発行年度 2008
要約
イチゴの着色改善のため、高設栽培で果実の支持角度を任意に調整できる可動式果実架台を開発した。可動式果実架台の利用で、着色の改善が図られるとともに、栽培管理時には架台を下げて作業することができるため、作業性は損なわれない。
キーワード イチゴ、可動式果実架台、高設栽培、着色、あまおとめ
背景・ねらい
愛媛県農林水産研究所が育成した、イチゴ品種「あまおとめ」(「とちおとめ」×「さがほのか」)は、特に高設栽培において1~2月に成熟する果実の着色が十分でなく、その改善が望まれている。そこで、果実の色が薄い品種を対象に果実の支持角度を任意に調整できる可動式果実架台を作成し、着色改善効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 着色改善を目的に開発した可動式果実架台は、ヒモを牽引する力を滑車と棒を組み合わせて上向きに押し上げる力に変換し、果実架台を持ち上げるしくみである。(図1、図2)。
  2. 厳寒期(12~2月)における「あまおとめ」の果実の着色は、果実の支持角度が水平に近いほど果実色調(色差計の測定値から、a*×1000/(L*×b*)の式により得られる値)を示す値は大きくなり、濃い赤色の果実となる。表側の着色は、4月以降、果実の支持角度による差は小さくなり、裏側は3月以降に差が小さくなる(図3)。
  3. 果実の糖度に差はなく、果実の硬度においても果実の支持角度の違いによる明確な差はみられない(図4)。
  4. 果実架台の角度を任意に調整できるため管理作業時に通路を確保でき、作業性が損なわれない。
成果の活用面・留意点
  1. 可動式果実架台は、厳寒期において果実着色の十分でない品種の着色改善に活用できる。
  2. ハウス内の日射条件の良くないベッドへの設置が有効である。
  3. 架台の幅は30cm程度までなら設置するうえで支障がなく、長さは40mでも可動させることができる。
  4. 栽培期間中、通常は水平に保ち、薬剤散布時など作業に支障が出る場合は下げる。また高温期には、果実の軟化などの果皮障害が懸念されるため、果実架台を下げておく。
  5. 果実架台を上下させるため、果皮障害が発生しにくい下敷き資材を選定する。
  6. 試験に供した資材ではm当り400~500円要するので、安価で軽量な資材を選定し、資材費の低減を図る必要がある。
  7. 愛媛農試方式にベッドの構造が類似しているシステム(るんるんベンチなど)に装着可能で、その他のシステムについては架台取り付け方法の改良が必要である。
図表1 234998-1.jpg
図表2 234998-2.jpg
図表3 234998-3.jpg
図表4 234998-4.jpg
カテゴリ いちご 栽培技術 品種 薬剤

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