タイトル |
キュウリ誘引用支柱を利用した簡易ハウスでの高収益野菜栽培体系 |
担当機関 |
愛媛農研 |
研究期間 |
2006~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
キュウリの誘引用支柱を利用して作成した簡易ハウスは、安価で設置が容易な点が特長である。このハウスを活用し、夏秋キュウリと冬野菜とを組み合わせた栽培体系を導入することで農業収入の向上が図られ、中山間地域農業の維持・発展に寄与できる。
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キーワード |
簡易ハウス、キュウリ、高収益、中山間、栽培体系
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背景・ねらい |
中山間地域では、キュウリを始めトマトやピーマン、ナスなど多くの野菜が栽培されているが、農業所得は必ずしも高くない。原因の1つに、冬期の低温のため年間を通した作付けが困難なことがあげられる。冬期に栽培するためには施設(ハウス)の導入が効果的だが、中山間地域は狭小で不整形な農地が多い上、施設導入には経費や労力の負担が大きい。そこで、安価で設置も容易なハウスを開発し、このハウスを活用した高収益栽培体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 簡易ハウスの骨組みに夏秋キュウリの誘引用支柱を利用するので、資材費が約11万円/aと安価である(図1、表1)。
- 簡易ハウスの設置(骨組み)に要する時間は約6時間/aであり、高齢者や女性にも容易にできる。またハウスの被覆や除去も容易である。狭小で不整形な農地にも設置でき、冬期はハウスとして、夏期は誘引用支柱として多目的に利用できる。
- 高収益が期待できる栽培体系として、夏期にキュウリを2作連続栽培し、冬期にホウレンソウなどの軟弱野菜を栽培するか、キュウリを1作栽培したあとで、イチゴを栽培(頂花房のみの収穫)する体系が有望である(図2、表2)。
- 簡易ハウスを導入することで、夏秋キュウリは通常の露地栽培より1ヶ月以上早く定植することが可能となり、収穫期間の延長により収量は3割程度増加する。また夏秋キュウリを2作連続栽培すると、8割程度の増加となる。キュウリのあとにホウレンソウ、イチゴ等を組み合わせることで販売金額(試算)は2倍以上となる(図2、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- キュウリの誘引用支柱は、天の幅の広いものが作業性が良い。
- 試作した簡易ハウスは最大瞬間風速18.8m/sの風にも耐えられたが、風の被害を防ぐためには防風ネット等で十分対策を立てておく必要がある。
- キュウリ栽培では、簡易ハウスの被覆資材は暖かくなってから(5月上旬頃)除去するが、被覆中のキュウリはつり下げ誘引とし、被覆除去後はネット誘引とする。
- 簡易ハウス内の畝はハウス設置前に立て、各作毎に施肥後管理機で畝上を軽く耕うんするだけとする。
- 連作による塩類集積を防ぐため、土壌診断により施肥量を調整する。
- 愛媛県農林水産研究所のホームページにマニュアルを公開している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
いちご
簡易ハウス
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栽培技術
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