万願寺トウガラシの青枯病被害を軽減できる簡易な隔離床栽培

タイトル 万願寺トウガラシの青枯病被害を軽減できる簡易な隔離床栽培
担当機関 京都農総研
研究期間 2005~2007
研究担当者
発行年度 2008
要約
万願寺トウガラシの青枯病発生施設では、クロルピクリン消毒した施設土壌を培地とし、ポリエチレンシートを用いた簡易な隔離床栽培を行うことにより、青枯病の発生とそれに伴う減収を大幅に軽減できる。
キーワード トウガラシ、青枯病、隔離床
背景・ねらい
京都府内の万願寺トウガラシ産地では、連作による土壌病害の多発が問題となっており、特に青枯病は抵抗性台木や土壌消毒でも防除が困難である。そこで、青枯病発生施設における被害軽減を目的として簡易な隔離床栽培を開発し、その有効性を検証する。
成果の内容・特徴
  1. 栽培床はポリエチレンシート(商品名「ターピーシート」)で隔離し、施設土壌を積み込んだ後、クロルピクリン剤で消毒する。栽培床底面は約5度の角度で傾斜させ、余剰水は栽培床の片側に集まるようにする(図1)。
  2. かん水は少量ずつ多頻度に行う(最大0.6L・4回/株・日)。シート上に余剰水がある場合はかん水量、回数を減らすため系外への肥料成分流出がない。基肥はCDU化成等により窒素成分で12.5kg/10a施用する。追肥は希釈した液肥を用い、窒素成分0.5kg/10a・週をかん水チューブで施用する。
  3. 隔離床栽培での生育、収量は隔離しない場合とほぼ同程度である。灰色低地土の場合培地にピートモスを容積比20%混和することによって、保水力・保肥力等土壌理化学性が向上し、収量が増加する(図2)。
  4. 青枯病多発施設では、隔離床栽培とクロルピクリン消毒の併用により、青枯病の発病とそれに伴う減収を大幅に軽減できる(図3、図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 7.2m×40m施設当たり約24万円の資材コストと約40時間の施工時間が必要で、隔離床(シート)の耐用年数は4年程度である。
  2. 導入の目安は青枯病による減収が単年収支で3割以上、4年収支で1割以上である。
  3. 隔離床栽培であっても栽培床の完全な消毒は困難であるため、抵抗性台木の併用が有効である。
  4. 本方式はその他トウガラシ類にも利用可能である。
図表1 235003-1.jpg
図表2 235003-2.jpg
図表3 235003-3.jpg
図表4 235003-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 青枯れ病 くり コスト 台木 抵抗性 とうがらし 土壌消毒 防除

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