タイトル |
イチゴ「さちのか」が10月から中休みなく収穫可能な夜冷短日処理法 |
担当機関 |
岡山農総セ農試 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
イチゴ「さちのか」を、7月上旬から一次腋花房が花芽分化するまで夜冷短日処理した苗を9月上中旬に定植すると、10月から中休みなく収穫が可能で、頂果房果実は大きくなり、収量は増加する。
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キーワード |
イチゴ、さちのか、夜冷短日処理、中休み軽減
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背景・ねらい |
イチゴ「さちのか」を7月上旬から30日程度夜冷短日処理すると、頂花房の花芽分化は促進され、10月から収穫可能であるが、11~12月に十分な収量が得られない。また、頂果房果実が小さく、総収量が減少する。そこで、「さちのか」を10月から中休みなく収穫でき、果実が大きくなる夜冷短日処理法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 「さちのか」を60日間程度夜冷短日処理(以下、夜冷短日延長処理)することで、一次腋花房が花芽分化し、頂花房が雌ずい形成期に発育した苗を育成することができる(表1)。
- 7月上旬から夜冷短日延長処理した「さちのか」苗を9月上中旬に定植すると、10月から頂果房の収穫が始まり、続いて一次腋花房の収穫が始まることから、収穫の中休みがなく、慣行夜冷短日処理(10月収穫開始作型)に比べて連続した収穫が可能である(表1、図1)。
- 夜冷短日延長処理によって10月に収穫された頂花房頂果は、慣行夜冷短日処理(10月収穫作型)の頂花房頂果に比べて、そう果数が多く、果実重は重くなる(図2)。
- 年内商品果収量及び総商品果収量は、夜冷短日延長処理が、慣行夜冷短日処理(11月収穫開始作型)及び普通促成より多くなる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 気温、栽培条件によって花芽分化の早さは異なり、夜冷短日処理期間は異なることから、花芽分化の状況を十分に確認することが必要である。
- うどんこ病の発生が多くなる可能性があることから、十分防除を行う。
- 秋期に果実温度が上昇しにくい高設栽培で適応性が高い。
- 秋期の気温低下が早い地域で、より有効である。
- 採苗は5月下旬までに行う必要がある。
- 10月収穫果実は1月収穫果実に比べ、糖含量は同等だがクエン酸含量は高い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
いちご
うどんこ病
栽培技術
栽培条件
防除
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