タイトル |
小ギクの暗期中断およびエセフォン処理による8月上旬出荷のための品種区分 |
担当機関 |
奈良農総セ |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
角川由加
仲 照史
小山裕三
前田茂一
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発行年度 |
2008 |
要約 |
小ギクの8月上旬開花には、「紅千代」等10品種では暗期中断が、「小雨」等8品種ではエセフォン処理が有効である。また、「玉手箱」等4品種では暗期中断とエセフォンの併用処理が有効である。
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キーワード |
開花抑制、暗期中断、エセフォン、小ギク
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背景・ねらい |
露地小ギクの主産地では、自然開花期の異なる品種を組み合わせた5月から年末までの長期出荷が行われている。しかし、自然開花期は環境条件の影響を受けやすく、計画出荷が困難である。そこで、暗期中断およびエセフォン処理を用い、とくに需要が多いにもかかわらず、開花期の年次変動が大きい8月上旬出荷作型における品種区分を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 深夜4時間(22:00~2:00)の暗期中断を4月下旬の摘心から6月中旬まで行うことにより、「みのる」、「やよい」、「花染(晩)」、「ほたる」、「紅千代」、「小紫」、「ともしび」、「あけみ」、「糸子」、「いさはや」の10品種が8月上旬に開花する(表1)。
- 摘心後および2週間後に200ppmのエセフォンを1株当たり約3ml散布することにより「みのる」、「ほたる」、「小雨」、「糸子」、「いさはや」、「水明」、「風鈴」、「翁丸」の8品種が8月上旬に開花する(表1)。
- 暗期中断およびエセフォン処理の併用では、供試27品種中19品種で暗期中断単独の処理よりも開花が抑制される。特に「玉手箱」、「みちのく」、「水草」、「風遊び」の4品種は、この併用処理によってのみ8月上旬に開花する(表1)。
- 奈良県内での現地実証試験では、6月14日の消灯で8月上旬を中心とした最需要期出荷が可能となる(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 暗期中断により「広島紅」、「あおぞら」、「花えくぼ」、「風鈴」、「水明」の5品種は、無処理と比べて頂花が柳芽となりやすい。
- エセフォン処理は、処理時の気温や散布量によって効果が変動しやすいため、とくに開花の早期化が予測される場合の補助的な利用が適する(表1)。
- 定植日が異なると開花時期も変動するため、定植は4月上旬とする。
- 暗期中断は、電気設備の初期投資として約33万円/10a、電気料金として約6万円/10a/年の費用が必要である。エセフォン処理には、約4千円/10aの費用が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
栽培技術
出荷調整
品種
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