センリョウの効率的簡易挿し木繁殖法

タイトル センリョウの効率的簡易挿し木繁殖法
担当機関 和歌山農総技セ
研究期間 2004~2007
研究担当者 古屋挙幸
藤岡唯志
村上豪完
発行年度 2008
要約
センリョウは、挿し木を湛水状態で行うプール挿しにすると、発根率が高く、発根本数やシュートの発生本数が多い良質な苗を作出できる。増殖率は、2年生枝を用いて茎挿しを行うと、従来の7.4倍と著しく増加する。
キーワード センリョウ、挿し木、プール挿し、茎挿し
背景・ねらい
センリョウの繁殖は、実生繁殖が一般的であるが、個体間で形質がバラツキ、生産が不安定になることがある。一方、栄養繁殖では形質が安定するが、従来の挿し木繁殖法ではミスト室が必要であったり、増殖率が低い欠点があり、生産現場では利用されていない。そこで、生産現場での利用が可能な効率的挿し木繁殖法を開発するため、挿し木時期および培地の水分管理法を検討するとともに、挿し穂の調整方法とその増殖率の関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 挿し床は、育苗箱(横30cm×縦50cm×高さ8cm)をビニールなどで覆い、鹿沼土を培地として充填し、湛水状態とする(以下、プール挿し)。
  2. 頂芽挿しの挿し穂は、1年生枝を先端から約5cmの部位で節を残して切断し、葉をそれぞれ半分に切除した状態に調整する。茎挿しの挿し穂は、2節を1本とし、上位の節には半分に切除した葉を2枚残し、下位の節を基部とする(図1)。挿し穂の基部には、葉を付けないが、シュートを発生させるため、腋芽を2つ残しておき、0.5%IBA(商品名:オキシベロン粉剤0.5)を粉衣する。
  3. 挿し木後は、2~3日間隔で挿し床が湛水状態となるよう補水し、80%程度の遮光条件下で管理する。
  4. プール挿しは、かけ流しかん水の慣行法よりも枝根本数が多く、最長根長が長く、根径が太い苗を作出できる。また、プール挿しによる挿し木苗は、慣行法よりも主根本数やシュートの発生本数が多く、発根率が高くなる傾向がある(表1)。
  5. プール挿しの挿し木適期は、発根率が最も高く、枝根本数やシュートの発生本数が最も多い6月である(表1)。
  6. 茎挿しは、慣行法である頂芽挿しよりも発根本数が少ないが、挿し木苗として十分利用が可能な苗を作出でき、発根率も95%と比較的高い(表2)。
  7. 増殖率は、2年生枝を用いて茎挿しを行うと、1年生枝を用いたときと比較して、7.4倍と著しく増加する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. プール挿し法は、ミスト室を使用することなく、2~3日おきの手かん水で挿し木苗が得られることから、生産現場での利用が容易である。
  2. 本情報は、優良系統の効率的な増殖に利用できる。
  3. 発根するまでは強風により挿し穂が吹き飛ばされてしまうことがあるので、挿し床の設置場所に注意する。
  4. オキシベロン粉剤0.5は、センリョウに対して農薬登録がないので、代替品として樹木類で農薬登録のあるオキシベロン液剤を使用することとし、農薬使用基準を遵守する。
図表1 235015-1.jpg
図表2 235015-2.jpg
図表3 235015-3.jpg
図表4 235015-4.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 挿し木 農薬 繁殖性改善 光条件

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