クリ「岸根」の早期成園化のための大苗育苗方法

タイトル クリ「岸根」の早期成園化のための大苗育苗方法
担当機関 山口農総セ
研究期間 2004~2008
研究担当者
発行年度 2008
要約
クリ「岸根」は、1年生苗木をさらに1年間苗圃で育成して定植すると良い。育成中に新梢を摘心し、定植時に枝の切り返しを行うことにより樹冠が早く拡大し、初期収量が多くなる。また、計画密植栽培との組み合わせにより、一層の早期成園化が図れる。
キーワード クリ、岸根、早期成園化、大苗育苗、摘心、切り返し、計画密植栽培
背景・ねらい
クリ「岸根」は樹勢が強く、また発生枝数が少ないため、幼木期における収量が他の品種に比べて少なく、このことが改植の進まない一要因ともなっている。そこで、大苗育苗法などにより早期成園化を図る。
成果の内容・特徴
  1. クリ「岸根」の1年生苗木を、苗圃でさらに1年間育成した苗木を定植することにより、樹冠占有面積が大きく、樹高も高くなる。苗木の育成方法は、5月下旬頃新梢を摘心し、次年度の定植時に枝を半分切り返す方法が良い。この処理により、定植後の母枝数が多く確保できる(表1、図1)。
  2. 結実初期の収量は、1年間育成することにより多くなる。1の方法では本圃定植4年目までの10a当たり合計収量は約900kgとなり、定植3年目と4年目の収量は400kg以上を確保できる。1果重にはほとんど差はない(表2)。 また、病害虫発生率など正果率にも大きな差はない(データ省略)。
  3. 4×2mの計画密植栽培と1年間の苗木育成を組み合わせることにより、現在一般的に行われている慣行栽培法(栽植密度5×5m、1年生苗木の圃場定植)に比較して、定植から4年目までの初期収量は約7倍確保でき(データ省略)、販売金額から資材費を差し引いた金額は10a当たり約25万円多くなる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 他の品種でも活用できるが、特に樹勢が強く、新梢の発生が少ない品種で効果が高いと考えられる。
  2. 4×2mの計画密植栽培では、5年目頃から縮伐を実施する。
  3. 受粉樹も大苗育苗する。
図表1 235019-1.jpg
図表2 235019-2.jpg
図表3 235019-3.jpg
図表4 235019-4.jpg
カテゴリ 育苗 改植 害虫 くり 栽培技術 受粉 早期成園化 品種

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