九州・沖縄の各種土壌の硬化特性と微細形態

タイトル 九州・沖縄の各種土壌の硬化特性と微細形態
担当機関 九州農業試験場
研究期間 1995~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約
九州・沖縄の各種土壌は,乾燥時の硬度や一軸圧縮強度が農業上問題となる土壌と,ならない土壌の二つのグループに大別される。前者の乾燥時の土壌微細構造型はバグ状で,後者は海綿状や小粒状である。
背景・ねらい
乾燥に伴う土壌の硬化は,耕耘時の砕土性や作物根の伸長を悪化させる。九州・沖縄の各種土壌の乾燥および湿潤時の一軸圧縮強度,硬度(山中式),土壌微細形態などの相互関係を解析する。
成果の内容・特徴
  1. 九州・沖縄の主要土壌の5土壌群6試料を供試した(表1)。これらは,乾燥時の硬度や一軸圧縮強度が農業上問題となる土壌と,ならない土壌の二つのグループに大別される。
  2. 赤色土B(国頭マージ),暗赤色土(島尻マージ),陸成未熟土(ジャーガル),低地水田土は,生土の状態では土塊の一軸圧縮強度(kg/cm2)が3以下,山中式硬度(mm)が17 以下であるが,風乾すると含水比の減少に伴い,それぞれ8~25,29~33と,耕起の際の砕土性や作物根の伸長上で大きな問題となる値に増大する(表1,図1,図2)。
  3. 黒ボク土と,細礫を多く含む赤色土Aは,生土と風乾いずれの状態でも,一軸圧縮強度も山中式硬度も非常に小さい(表1,図1,図2)。
  4. いずれの土壌も,風乾した土塊を水中に再浸漬すると,一軸圧縮強度は1以下と,砕土性の面で問題のない値になる(表1)。
  5. 土壌の硬化特性と微細形態の間には密接な関係が見られる。赤色土B,暗赤色土,陸成未熟土,低地水田土は粗大な孔隙が少なく固相の連続性が大きい微細構造(バグ状構造)であるのに対し,黒ボク土と赤色土Aは粗大な孔隙が多く固相が切れ切れになっている微細構造(海綿状構造,小粒状構造)である(表1,図3)。

成果の活用面・留意点
  1. 細粒質の赤色土,暗赤色土,陸成未熟土などの乾燥に伴う硬化が著しい畑土壌の管理に活用できる。
  2. 同じ土壌群でも,礫や砂含量が異なる場合は,異なった硬化特性を持つと考えられる。

図表1 235082-1.gif
図表2 235082-2.gif
図表3 235082-3.gif
図表4 235082-4.gif
カテゴリ 乾燥 水田

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