ワムシ給餌期のカンパチ仔魚におけるDHAおよびタウリンの要求量

タイトル ワムシ給餌期のカンパチ仔魚におけるDHAおよびタウリンの要求量
担当機関 (独)水産総合研究センター 養殖研究所
研究期間 2006~2009
研究担当者 山本剛史
松成宏之
古板博文
発行年度 2010
要約 開口時から10日令までカンパチ仔魚をDHAおよびタウリン強化ワムシで飼育した。その結果、ワムシのDHA含量の増加に伴い成長、生残率および開腔率が向上し、また、ワムシのタウリン含量の増加に伴い生残率が向上した。生残率を指標としたワムシ1g(乾物)あたりの要求量は、DHAが15mg、タウリンが5.3mgであると推定された。
背景・ねらい 外国産種苗に依存している我が国のカンパチ養殖において、生産物へのアニサキスの寄生が問題となったことから、国産の養殖用人工種苗の生産が望まれるが、仔魚の栄養要求を含めた種苗生産期の飼育管理技術は明らかになっていない。本研究ではこれまで天然および人工生産された種苗並びに飼餌料の栄養成分分析を進めた結果、仔魚期に特に必要な栄養素がDHA(ドコサヘキサエン酸)とタウリンであることが明らかとなったため、今回は仔魚期におけるこれらの栄養素の要求量を検討した。
成果の内容・特徴 実用性を考慮して、市販のDHAおよびタウリン強化剤を用いて異なる濃度でこれらの栄養素をワムシに強化し、開口時から10日令までの仔魚に与えた。その結果、両栄養素ともワムシ中の含量の増加に伴い生残率が改善され、要求量はそれぞれワムシ1g(乾物)あたり15mg(図1)および5.3mg(図2)であると推定された。また、DHAは成長や鰾の開腔にも関与することが示唆された(図3)。
成果の活用面・留意点 今回得られた要求量は、ワムシの栄養強化時にDHAでは市販のDHA強化淡水クロレラに加え、粉末状強化剤など他のDHA強化剤との併用が必要なレベルであり、また、タウリンでは市販のタウリン強化剤を培養水1Lあたり400mg添加したレベルであったことから、種苗生産現場への速やかな適用が可能な成果である。一方、種苗生産初期に注水を行わない飼育方法を採用する場合には、飼育水槽内のワムシにおけるこれら栄養素の含量が低下しないよう、栄養強化条件に配慮する必要があることも明らかにした。
図表1 235139-1.png
図表2 235139-2.png
図表3 235139-3.png
カテゴリ 管理技術

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