低塩分海水養生によるキズ・シミの無い真珠の生産率向上効果

タイトル 低塩分海水養生によるキズ・シミの無い真珠の生産率向上効果
担当機関 三重県水産研究所
研究期間 2007~2009
研究担当者 渥美貴史
青木秀夫
西川久代
神谷直明
石川 卓
井上誠章
石橋 亮
古丸 明
発行年度 2010
要約 低塩分海水を満たした循環式水槽(以下、低塩分海水養生)と真珠養殖漁場(以下、海上養生)とで、挿核手術直後のアコヤガイを2週間養生し、生産された真珠のキズ・シミの有無を調査した。その結果、低塩分海水養生は海上養生よりもキズ・シミの無い真珠の出現率(以下、無キズ珠率)が有意に高かった。今後、低塩分海水養生は真珠品質向上のための有効な手段になると期待できる。
背景・ねらい 真珠養殖業では、高品質真珠の生産率の向上を図るため、キズ・シミの形成をいかに抑えるかが技術上の課題となっていた。そこで、低塩分海水養生と海上養生を比較し、低塩分海水養生による無キズ珠率向上効果を明らかにすることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 挿核手術直後のアコヤガイを低塩分海水(塩分25psu)の水槽で2週間養生することで、現行の海上養生よりも無キズ珠率が顕著に向上した。
  2. 真珠養殖業者1名が低塩分海水養生と海上養生を2週間行った後、真珠養殖漁場で2カ月間飼育し真珠を採取する試験を5回行った結果、全試験において低塩分海水養生の無キズ珠率が海上養生よりも高かった(図1)。また、真珠養殖業者10名が低塩分海水養生と海上養生を2週間行った後、現行の真珠採取時期である12-1月まで飼育し真珠を採取した結果、業者毎の無キズ珠率に差異は見られるものの、業者10名のうち9名は低塩分海水養生の無キズ珠率が海上養生よりも高かった(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 低塩分海水の水槽で養生を実施することにより、高品質真珠の増産に繋がることが期待される。
  2. 当該手法は、循環式水槽を整備する必要がある。一度に養生できる貝数は、水槽の生物濾過能力に依存するため、整備した水槽の生物濾過能力を的確に把握したうえで、低塩分海水養生を実施することが必要である。
図表1 235145-1.png
図表2 235145-2.png
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