| タイトル |
藻場の維持における堆砂の重要性 |
| 担当機関 |
(独)水産総合研究センター 水産工学研究所 |
| 研究期間 |
2006~2010 |
| 研究担当者 |
川俣 茂
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| 発行年度 |
2010 |
| 要約 |
堆砂は海藻着生の阻害要因として考えられてきたが、波浪の影響が弱いところではウニの侵入を防止し、耐砂性の高い海藻の生残を可能にし、藻場を維持する重要な環境要因であることを明らかにした。
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| 背景・ねらい |
ウニが優占している磯焼け地帯が全国各地で持続、拡大しているが、その根本的な原因は不明であることが多い。また、その対策としてウニ除去が試行され、藻場の形成に成功している事例があるが、継続的な除去が欠かせないため、藻場の維持には困難が予想される。本研究では、岩礁での薄い砂の堆積がウニの侵入を防止し、その結果、耐砂性のある海藻が生残し、群落を持続するという仮説を検証し、それに基づく藻場造成適地の判定方法と、磯焼けの原因究明と対策において沿岸での土砂供給の減少に伴い岩礁から砂が消失し、ウニが安定的に生息してウニの磯焼け地帯が拡大するという新しい視点を提示する。
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| 成果の内容・特徴 |
鹿児島県みなみさつま市笠沙町沿岸では、常時、細砂が薄く(層厚<約0.2mm)堆積した平坦な大礫場には、砂のない岩礁に優占するナガウニ等のウニはほとんど侵入しないが(図1)、フタエモク等のホンダワラ類は新規加入し、高率で生残(30日生残率>0.6)し、群落を維持できること(図2)を明らかにした。また、新潟県佐渡沿岸では、キタムラサキウニが砂のない深所の巨礫場に高い密度で生息し、秋の水温低下に伴い浅所へ移動して藻場を消失させるが、水温が上昇すると、高水温を嫌って深所へ移動するウニが深所に堆積する砂によって阻まれ(図4)、そこでは耐砂性のあるホンダワラ類が比較的高い割合で生残できること(図3)を示し、砂の減少が磯焼け拡大を引き起こす潜在的可能性を示した。
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| 成果の活用面・留意点 |
持続的な藻場の造成手法として、砂地に平坦な大礫帯を造成したり、港内の浚渫土等を磯焼け地帯に散布することが考えられるが、砂の堆積には、波浪、砂の粒径、海底勾配、砂の動的挙動が関係しており、それらの影響を考慮する必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
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