乾燥ナマコの品質及び製造基準の確立

タイトル 乾燥ナマコの品質及び製造基準の確立
担当機関 地方独立行政法人北海道立総合研究機構水産研究本部
研究期間 2007~2009
研究担当者 成田正直
宮崎亜希子
飯田訓之
発行年度 2010
要約 日本ブランドとして国内産乾燥ナマコが備える品質基準を策定するともに、これに合致した製品を生産するための製造条件を明らかにした。
背景・ねらい 中国で高い評価を受けている国内産乾燥ナマコ(写真1)は、現在、品質に関する規格基準が存在しない。このため、市場で流通されている国内産乾燥ナマコ5種について、外観、水戻し後の性状調査及び化学成分分析を行って品質の数値化を行い、品質基準の策定を行った。また、品質基準に合致した製造基準を確立するために、原料保管、煮熟、乾燥の各工程において製造条件と品質の関係を調べた。
成果の内容・特徴
  1. 数値化によって得られた知見をもとに、以下のように品質基準を策定した。
    1. ねじれ、曲がり、扁平等の個体変形及び疣足の欠損がないこと。
    2. 疣足数は1個体あたり30~56個(図1)。
    3. 8倍重量に水戻ししたときの突き刺し強度は50~110g(図2)。
    4. 水戻し速度は、8倍重量に戻るまで70~110時間(図3)。
  2. 品質基準に合致した乾燥ナマコを製造するための条件として、以下の知見を得た。
    1. 漁法による違いでは、ホタテけた網混獲に比べ潜水漁獲の方がナマコ表面や疣足の損傷が少なく(写真2)、製品も潜水漁獲の方が良好であった。
    2. 原料保管条件は、内臓の吐出がない、表面の溶解、表皮の剥離の程度が少ない等の点で15℃よりも5℃のほうが適していた。
    3. 煮熟条件は、80~90℃で30分間及び60分間、あるいは100℃で30分間が適していた。
    4. 煮熟用水は真水および3%塩水で大きな差がみられなかった(煮熟条件については昨年度報告)。
    5. 乾燥温度は20~60℃が適していた。80℃で行った場合、水戻し後の乾燥ナマコは過度の軟化がみられた(図4)。
成果の活用面・留意点 今後、策定した基準をもとに、加工業者、流通業者等と意見交換等を行い、生産、加工、流通等、現場での活用策を検討していく必要がある。
図表1 235154-1.png
図表2 235154-2.png
図表3 235154-3.png
図表4 235154-4.png
図表5 235154-5.png
図表6 235154-6.png
カテゴリ 加工 乾燥

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