限られた水資源を利活用した乾期野菜栽培促進のためのマニュアル

タイトル 限られた水資源を利活用した乾期野菜栽培促進のためのマニュアル
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2007~2011
研究担当者 大須賀 公郎
團 晴行
保久 丈太郎
篠原 統吾
Marie-Line CHARLES
河野 尚由
大前 英
発行年度 2011
要約 ニジェール国において限られた水資源を利活用し乾期の野菜栽培を促進する手法を、実証調査の結果に基づき、組織化、家畜の食害対策、栽培技術の改善の分野から、農業省調査計画局と協力し、取りまとめたマニュアルである。
キーワード ニジェール国、水資源、組織化、食害対策、野菜栽培
背景・ねらい サハラ砂漠南端の乾燥・半乾燥地域に位置するニジェール国においては、国際河川であるニジェール河および季節河川あるいは沼の水資源があるにも関わらず、それらが十分に活用されていない。ニジェール国水利・環境省発行の水資源開発マスタープラン報告書(1999)によると、「ニジェール国には1,000以上の沼が存在し、うち175が永久沼として国内に点在しているといわれているにも関わらず、これらの沼が水利用調査の対象となることは、これまでほとんどなかった。」と記載されており、具体的な方針も示されていない。
一方、ニジェール国の自然沼の水利用目的には、大きく、農業利用、家畜飲料利用、生活利用(飲料含む)に分けられる。これらの中で、現在、十分に利用が進んでおらず、かつ今後の利用量増が見込まれるものは、乾期野菜栽培による農業利用である。このことから、限られた水資源を利活用して乾期野菜栽培を促進するための手法の開発と普及が求められている。
成果の内容・特徴
  1. 37村の農民に対するアンケート調査を行い、乾期野菜栽培を促進するうえでの制約要因を明確にした。
  2. アンケート調査から明らかになった3大制約要因(a.家畜の食害が甚大、b.農業用資機材が入手困難、c.病虫害の発生)と、調査団による調査結果から明らかとなった2つの課題(a.育苗技術の低さ、b.組織的な取組が不十分)に対する対策(a.水資源利用者組織化の支援、b.簡易な農地整備支援活動、c.営農技術の改善手法)を対象サイトにおいて実証した(図1参照)。
  3. 本マニュアルは、十分に利活用されていない自然沼周辺を対象サイトとして実施した実証調査の結果を中心に取りまとめたものである。このマニュアルの内容は、自然沼ばかりでなくダムや遊水池及び井戸を水源としたサイトでも適用可能である(図2参照)。
  4. 本マニュアルの取りまとめに際しては、ニジェール国農業省の関係部局で構成される技術委員会で内容を協議しながら編集すると共に、当国の普及員が理解できる仏語とすべく査読を繰り返した上で、農業省調査計画局の承認を得るなど、現地での利活用度の向上に配慮している。
成果の活用面・留意点
  1. このマニュアルの利用者は、乾期の野菜栽培を促進するために、農家を支援・指導する立場にある者(普及員及びNGO・国際機関等のプロジェクトで雇用された農民への指導者)を想定している。
  2. 自然沼の水資源を活用し、乾期の野菜栽培を促進するためには、最低限、このマニュアルに記載した項目を実施することが必要と考えている。しかしながら、サイトによっては、既に実施済みである項目、あるいはこのマニュアルで記載した項目だけでは不十分な項目もあると思われることから、実際のサイトの現状に応じ、適宜応用しながら使用することが必要である。
  3. 合計500部を製本したマニュアル仏語版は広報セミナーに参加した野菜栽培分野で支援している関係機関およびニジェール国農業省によって地方出先機関に配布されている。
図表1 235282-1.gif
図表2 235282-2.jpg
研究内容 http://www.jircas.affrc.go.jp/kankoubutsu/seika/seika2011/2011_01.html
カテゴリ 病害虫 育苗 乾燥 栽培技術 野菜栽培

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