| タイトル | 侵略的外来種マングースの根絶にむけて -残存個体の探索・捕獲技術の開発- |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
山田 文雄 小高 信彦 佐々木 茂樹 |
| 発行年度 | 2012 |
| 要約 | センサーカメラによる残存個体の検出率を解明し、低密度での残存個体数の推定を可能としました。また、低密度下の残存個体の効率的捕獲には、探索結果を速やかに捕獲作業につなげる機動的体制が効果的でした。 |
| 背景・ねらい | 生物多様性のホットスポット、沖縄島やんばる地域と奄美大島において、特定外来生物のマングース防除事業が2005年度から集中的に実施されています。その結果、マングースが低密度になり、希少種を含めた在来種が回復するなど成果が達成されつつあります。次なるステップのマングース根絶に向けて、低密度下での残存個体の発見と捕獲が必要ですが、低密度になるほど発見や捕獲が困難になります。本研究では、センサーカメラによる残存個体の検出率がワナを使った方法より高いことを示し、それに基づき残存個体数の推定を行いました。また、効率的捕獲には、探索後速やかに捕獲作業につなげることが重要です。 |
| 成果の内容・特徴 | 外来種の捕獲効率の低下外来生物の捕獲作業では、初期には捕獲数は多いものの、低密度になるにつれて捕獲数は減少し、捕獲効率(ワナ数に対する捕獲数)は次第に低下します(図1)。ワナを警戒し、通常のワナでは捕獲されにくい「トラップ・シャイ個体」が残存するからです。生息数をゼロにする根絶作戦では、このような残存個体を探索して、確実に捕獲する必要があります。探索方法として有望なものがセンサーカメラです(図2)。動きに反応して撮影するカメラですが、実際にマングースの探索に使うに当たってはその探索能力を知る必要があります。センサーカメラの優れた検出率約2平方kmの範囲に設置したセンサーカメラ140~180台とマングースの標識個体(5~7個体)を用いて、数理解析モデルによって非標識個体(残存個体)数の推定を行いました(図3)。センサーカメラによる標識個体の検出率(カメラ1台で1日間に1頭のマングース/2平方km)は0.000013~0.000042と極めて低い値でしたが、これはワナを使った従来法の方法と比べると3倍も高い検出率でした。この値を用いて、この地域の非標識個体数を推定したところ、残存個体数は2010年度の場合、1~14個体と推定されました(図4)。さらに、必要なカメラ台数を検討したところ、10日間で1頭のマングースを90%以上の確率で発見するためのセンサーカメラの必要な台数は、1,800~3,600台日と推定されました。 効率的捕獲のための機動的体制センサーカメラの効果的配置のシミュレーションを行った結果、空白地帯をつくらず、調査地全域をカバーして、調査期間を短くし、多くのカメラの設置が検出率を高めることが明らかになりました。多数のカメラを短期間設置した方が良いのは、検出力が高まるだけでなく、カメラによるモニタリング結果を捕獲に早期に反映させるためです。実際に、この方法で発見された残存個体を、ワナを集中的に設置することで、10日前後で捕獲することに成功しました。このように、まずセンサーカメラを使ってマングースを発見したのち、その情報をすみやかに捕獲者に提供することで短期間のうちに集約的に捕獲する、という機動的な体制をとることが、低密度となったマングースを捕獲する上で効果的なのです。この成果は実際に、環境省による沖縄やんばる地域と奄美大島におけるマングース防除事業などに活かされています。マングースの根絶に向けて、今回開発した手法が重要となります。 本研究は、環境省生物多様性関連技術開発等推進費「侵略的外来中型哺乳類の効果的・効率的な防除技術の開発研究」による成果です。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 研究内容 | http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2012/documents/p42-43.pdf |
| カテゴリ | 病害虫 防除 モニタリング |
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