DNAマーカーに基づくエクセルベースの親子判別ソフトウェアの開発

タイトル DNAマーカーに基づくエクセルベースの親子判別ソフトウェアの開発
担当機関 (独)水産総合研究センター 東北区水産研究所
研究期間 2011~2011
研究担当者 関野正志
筧 茂穂
発行年度 2011
要約 DNAマーカーを用いた親子判別は、栽培漁業や養殖における人工種苗の遺伝的多様性を正確に見積もるために必要不可欠な解析である。本研究では、煩雑な親子判別を汎用ソフトのエクセル上で容易に行うことのできるソフトウェアを開発した。
背景・ねらい DNAマーカーに基づく親子判別は、人工種苗の遺伝的多様性調査、放流魚追跡および天然魚介類の繁殖行動の解明に必須の技術である。親子判別では多くのDNAマーカーのジェノタイプ情報*1を利用して解析を行う。これを手計算で行うと膨大な時間を要し、ケアレスミスが起こりやすい。そこで汎用表計算ソフトのエクセル上で簡単に親子判別を行うことができるソフトウェア(PARFEX v1.0)を開発した。
成果の内容・特徴 PARFEXはエクセルファイルにマクロ*2として組込まれている。エクセルに記録したデータをPARFEX組込みエクセルファイルに貼付けた後、ウィンドウでの対話形式で解析が進められる。PARFEXでは、二つの親子判別法が利用できる。
  1. 排除法:メンデル遺伝法則に基づくシンプルな方法。親候補の数が少ない閉鎖集団(人工種苗等)に適している。子のジェノタイプを生じ得ないジェノタイプを持つ親候補(親候補組合せ)を排除していき、最終的に残された親子関係を真の親子関係とみなす〈図1)。
  2. 尤度法:排除法では、親候補の数が多いと膨大な数のマーカーを解析しなければ親子関係を特定できない。尤度法では、親子間のアリル(対立遺伝子:例えばABO血液型の対立遺伝子A、B、O)の伝達確率に基づき、対象の子と親候補が親子関係にある確からしさを見積もる。排除法で親子関係が特定できない場合でも、シミュレーション統計処理により、親子関係を推定できる(図2)。親候補の数が多い野外での親子判別に適する(やや高度な専門知識が必要)。
*1遺伝子型のこと。A型の血液型のジェノタイプはA/AかA/O、など。
*2エクセルで計算処理を自動化するためのプログラムのこと。
成果の活用面・留意点 本ソフトは誰でも自由にダウンロードできる(http://cse.fra.affrc.go.jp/sekino/PARFEX/)。シンプルな排除法は、DNAデータを外注等で得ることができれば、種苗生産現場での利用も可能。本ソフトでは、様々な遺伝的多様性指標を計算できる。観察された親候補のジェノタイプからシミュレーションによって数万の子のジェノタイプやランダムジェノタイプを生成し、このデータを、他の解析に用いることができる。
図表1 235375-1.png
図表2 235375-2.png
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3358&YEAR=2011
カテゴリ DNAマーカー 繁殖性改善

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる