タイトル | ベニズワイかにかごへのリング脱出口の装着 |
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担当機関 | 兵庫県立農林水産技術総合センター |
研究期間 | 2008~2010 |
研究担当者 |
大谷徹也 矢野靖和 須藤健介 笹川和峰 尾崎為雄 |
発行年度 | 2011 |
要約 | ベニズワイかにかご側面に内径10cmリング脱出口を1個装着した時の効果を検証した結果、浸漬日数14日間で、甲幅9cm未満のほぼ全数と甲幅9~10cmの2/3が脱出した。これを普及することで小型ベニズワイの保護と、選別作業の軽減が図られた。 |
背景・ねらい | 兵庫県日本海区のべにずわいがにかご漁業者は、休漁月の設定、減船などにより過剰な漁獲圧を軽減し、かご網目合の規定(15cm)を順守することで漁獲物の小型化を免れてきた。しかし、かご漁具の特性上、甲幅制限(9cm)以下のベニズワイの数%の入網は避けられず、次世代資源の減耗と、船上での無用な選別作業を生じていた。そこで、これらを軽減するため、かご漁具の改良を行った。 |
成果の内容・特徴 | 通常のベニズワイかにかご(目合15cm)と、かご側面下部に内径10cmのリングを1個はめ込んだ試験かごを交互に配置して試験操業し(浸漬日数14日間)、ベニズワイの入網尾数をサイズ別に比較した。 この結果、甲幅9cm未満についてはほぼ全数、甲幅9~10cmについても66%が脱出した。これにより1かごあたり入網重量は8%減少したが、減少が商品価値の低い小型個体に限られること、脱出個体の一部は脱皮成長して近い将来漁獲されることを考えると、長期的には経営にマイナスにははたらかないと考えられた。 また、リングの素材として内径10cm塩ビパイプを輪切りにして用いたことで、コストは1個5円以下と低く抑えられた。 |
成果の活用面・留意点 | 結果は浸漬日数を十分にとった場合であり、浸漬日数3日では効果は認めにくい。実効性を高めるには、リング装着数を増やすか、浸漬日数を延ばすことが有効である。本県では平成23年5月時点で装着率は100%に達していたが、平成23年9月以降、2個目の装着を順次進めている。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3289&YEAR=2011 |
カテゴリ | 経営管理 コスト シカ |