海草藻場におけるシロクラベラ稚魚加入量の年変動

タイトル 海草藻場におけるシロクラベラ稚魚加入量の年変動
担当機関 沖縄県水産海洋研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 太田 格
発行年度 2011
要約 八重山海域の海草藻場に出現するシロクラベラ稚魚の加入量のモニタリングを行った結果、加入量水準には顕著な年変動が認められ、冬期の最低水温日が早い年ほど、加入量が少なくなる傾向が認められた。また、各年の最低水温日の変動に稚魚の誕生月も同調することから、最低水温日は、産卵活動の開始に関連する可能性が示唆された。
背景・ねらい シロクラベラの資源回復に向けたプロジェクト研究が行われた。シロクラベラは稚魚期に成育場として限られた環境の海草藻場を利用することが知られるが、その稚魚の加入量動態とその因果関係の把握は、資源量動態の解明に重要である。
成果の内容・特徴 シロクラベラの主要成育場である石垣島名蔵湾の海草藻場6定線において、5年間の潜水調査を実施し、シロクラベラ稚魚の生息密度及び体長データを解析した結果、以下のことが分かった。
  1. 海草藻場での稚魚の5年間の加入量には顕著な年変動が認められた(図1)。各年の最大生息密度から、名蔵湾湾奥部の海草藻場(面積1.4km2)の生息個体数は、約1,300-13,000個体(平均約2,600個体)と推定された。
  2. 各年の加入量は、冬期の最低水温日の変動に関連し、最低水温期が早い年ほど少なくなる傾向が認められた(図2、図3)。
  3. 海草藻場に出現した稚魚の全長から、稚魚期の成長式を用いて、誕生月を逆算推定した結果、各年の誕生月組成には違いが認められた(図3)。2006年を除いて、各年の始めの稚魚の誕生月は、最低水温日の変動に同調していることが分かった(図3)。
  4. 最低水温日は、親魚の産卵開始に関係していると考えられた。最低水温日が早まることで、産卵期が早まり、その結果、産卵活動の不具合もしくは初期の生残の悪化が起こっている可能性が示唆された。
成果の活用面・留意点 加入量変動に関する知見は、資源動態を把握する上で重要な情報となる。
図表1 235412-1.gif
図表2 235412-2.gif
図表3 235412-3.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3339&YEAR=2011
カテゴリ モニタリング

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