タイトル | オホーツク海ミンククジラバイオプシーサンプルの船上遺伝解析 |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 国際水産資源研究所 |
研究期間 | 2010~2010 |
研究担当者 |
吉田英可 木白俊哉 宮下富夫 |
発行年度 | 2011 |
要約 | 遺伝解析にもとづくミンククジラの系群判定を世界に先駆けて船上で実施した。オホーツク海において目視調査を行い、発見したミンクククジラ8個体からバイオプシーサンプルを採取した。船上での遺伝解析に成功し、系群を判定できた。 |
背景・ねらい | オホーツク海には春~夏季、2系群のミンククジラが来遊するものと考えられている。混合率推定のため、採取したバイオプシーサンプルを船上で遺伝解析することにより系群判定を試みた。 |
成果の内容・特徴 | 我が国周辺海域に生息するミンククジラ資源を適切に管理するためには、系群ごとの資源量を把握する必要がある。春~夏季、オホーツク海には摂餌のため多くのミンククジラが来遊し、資源量調査が行われて来た。彼らは2系群に属するものと考えられているが、混合率が不明なため、系群ごとの資源量を正しく把握するには至っていない。そのためにはまず、洋上で遭遇したミンククジラの系群を判定し、混合率を推定する必要がある。生体試料の遺伝解析は系群判定に有効なことから昨夏、調査中に遭遇した個体からバイオプシーサンプリングを試みた。しかし、CITES輸出入許可を取得できなかったためロシア領海を出域時に洋上で投棄せざるを得ず、解析には至っていない。今後も許可取得の見込みはないことから、採取試料をロシア領海内にとどまる船上で遺伝解析することにより、系群判定を試みた。調査中、1327.7海里を探索し、ミンククジラ計38群42頭を発見した。このうち、24群28頭に対しバイオプシーサンプリングを実施し、8頭から試料を採取できた。系群判定のための遺伝解析には、さまざまな手法が用いられているが、船のスペースや持ち込める試薬類の制約から最も簡便な方法であるmtDNAの制限酵素処理を行った。出港前、陸上で繰り返し実験を行い、持ち込む機材・薬品を可能な限り小さくかつ少なくするよう努めた。その結果、狭く揺れる船内でも信頼性の高い解析を行うことが可能となり、採取個体の系群を判定できた。 |
成果の活用面・留意点 |
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図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3383&YEAR=2011 |
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