釧路沖ミンククジラの衛星追跡

タイトル 釧路沖ミンククジラの衛星追跡
担当機関 (独)水産総合研究センター 国際水産資源研究所
研究期間 2010~2010
研究担当者 木白俊哉
宮下富夫
発行年度 2011
要約 ミンククジラへの衛星標識の装着と追跡に国内で初めて成功した。霧多布沖約15海里の地点で遊泳中のミンククジラ1頭にアルゴス衛星標識を装着し、衛星受信の結果、同個体が、装着から27日目までの間、道東沿岸域に留まっていたことを明らかにした。
背景・ねらい 沿岸域のミンククジラの系群構造解明、生態系モデル開発等に資するため、個体の移動回遊、滞在期間等の把握を目的に衛星標識の装着を試みた。
成果の内容・特徴 秋季釧路沖を主体とした道東沿岸海域におけるミンククジラの来遊状況の把握と、衛星標識の装着を目的として、2010年9月6日から10月4日にかけて調査船第二昭南丸を用いて目視調査を実施した。調査は、ミンククジラ限定接近方式で行い、調査海域内に3つの調査ブロック(CW、CE、OF)を設け、各ブロック内に無作為に出発点を選んで調査コースを設定し、ライントランセクト法に基づいて実施した。衛星標識の装着は、アルゴスPPT(Wildlife社製Spot5)を用い、遠洋水産研究所が沿岸域のニタリクジラで開発した手持ち式の空気銃による装着システムを応用した。調査探索距離は878.2海里で、沿岸部を主体に、ミンククジラ延べ28群30頭を発見した。このうち、3群3頭に対して、衛星標識の装着を試み(3回発射)、9月13日に霧多布沖約15海里の地点で1頭への装着に成功した。装着部位は、背鰭前方の左側体側面であった。アルゴス衛星による電波受信は9月15日から始まり、10月31日(装着から49日目)までの間に計61回の受信が認められた。このうち位置が特定できた回数は9回(10月9日、装着から27日目まで)であり、標識個体は、霧多布沖から襟裳岬の西岸側を経て、再び東岸側の沿岸海域に移動した。このことから、同個体は、少なくとも装着から4週間程度の間(27日間)、道東の沿岸域に滞留していたものと考えられる。11月1日以降、電波の受信はなく、おそらくその時点で標識は鯨体から脱落したものと思われるが、本種への衛星標識の装着に成功したのは国内初であり、衛星追跡による本種の移動回遊調査研究に今後の足がかりができたものと思われる。
成果の活用面・留意点
  • 秋季から冬季に至る回遊経路の把握と冬季繁殖場の解明
  • 装着成功率の向上と追跡期間の延長が課題
図表1 235423-1.gif
図表2 235423-2.jpg
図表3 235423-3.jpg
図表4 235423-4.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3395&YEAR=2011
カテゴリ 繁殖性改善

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