タイトル | 沿岸漁業・養殖業における自然エネルギーの利用 |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 水産工学研究所 |
研究期間 | 2010~2010 |
研究担当者 |
長谷川英一 長谷川勝男 高山 剛 溝口弘泰 内田 誠 前川陽一 中村 亨 |
発行年度 | 2011 |
要約 | 太陽光エネルギーの活用の可能性について立て縄漁業で使用するラインホーラーやカキ養殖の揚げ縄作業で使用する揚縄機を例として調べた。また、操業時の発電力量と消費電力量をモニターできるシステムを構築するとともに、太陽光エネルギー量と太陽高度との関係や太陽電池がどのような波長の光が当たったときに多く発電するのか(分光発電特性)などについても調べた。 |
背景・ねらい | 石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料あるいは核分裂エネルギーそして核融合エネルギーなどの原子力エネルギーは限りある資源であり、近い将来必ず枯渇する。また、これらがCO2排出による地球温暖化問題や放射能汚染など地球上の生命活動に悪影響を与えていることは自明である。沿岸漁業や養殖業においても漁船や漁具などの動力としてこれらのエネルギーが用いられて来た。今後は環境や省エネに配慮した自然エネルギー利用が水産業にも求められている。 |
成果の内容・特徴 | 本研究ではDC12Vのラインホーラーを一日に繰り返し2時間動かすという条件(ただし週2日は雨天のため発電不可)で太陽光パネルの枚数とバッテリー容量を見積もった。太陽光パネルによる発電力量とラインホーラーを稼働させたときの消費電力量は、テスターと電流プローブを回路に接続してUSBケーブルを介してPCに電流と電圧データを転送後電力量に換算し、刻々の各値の変化をモニターできるシステムとした。このシステムを利用して三重県の岩ガキ養殖業者が行う縄揚げ作業時の消費電力量の変化を計測するとともに本システムを練習船に搭載して遠州灘において立て縄試験操業を実施し、揚げ縄時の太陽光パネルの発電量とラインホーラー稼働時の消費電力量の同時計測した。また、太陽光の波長300~1100nm間の照射エネルギー量の時間毎の変化を計測し、同測定地点における太陽高度の時間変化と比較し、太陽高度が最も高くなる時間帯に照射エネルギー量が最大となることがわかった。さらに、太陽光パネルの発電量と照射光の波長との関係について調べたところ、800~900nmの比較的長い波長光で発電力が大きくなり、太陽光のエネルギー量が比較的多い450~600nmとは一致していないことがわかった。今後は太陽光の分光エネルギー特性に即した発電効率を持つパネルの開発の必要性が示唆された。 |
成果の活用面・留意点 | 地球環境問題やこれまで使用してきたエネルギー資源の枯渇に対処することが水産業においても求められている。この研究では再生可能でかつ無害なエネルギーである太陽光エネルギーの沿岸漁業・養殖業への利用の可能性を明らかにした。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3220&YEAR=2011 |
カテゴリ | 省エネ・低コスト化 |