タイトル |
日本海産サワラの成分データベースの構築 |
担当機関 |
(独)水産総合研究センター 中央水産研究所 |
研究期間 |
2009~2011 |
研究担当者 |
金庭正樹
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発行年度 |
2011 |
要約 |
日本海で漁獲量が急増しているサワラの有効利用技術開発に向けた基礎的な知見とするため、日本海沿岸で漁獲されたサワラの地域、季節、大きさ毎の成分を明らかにし、これらの成分データを取りまとめて日本海産サワラの成分データベースを構築した。
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背景・ねらい |
近年、日本海で漁獲漁が急増しているサワラの有効利用および加工品開発のための原料特性を把握するため、山口県から秋田県までの各地域で漁獲されるサワラの魚体サイズ、栄養成分等の季節及び地域変動を明らかにするとともに、それら分析値から加工原料としての特性を把握する。さらに比較的高価で流通する瀬戸内海産サワラと日本海サワラの漁獲季節、魚体サイズ、栄養成分等の比較を行うとともに、加工特性を明らかにする。得られた知見は、サワラより新たな加工製品を製造する際の加工技術や鮮度保持技術の開発に活用できるようにするため、データベース化して閲覧可能にする。
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成果の内容・特徴 |
- 日本海各地で漁獲したサワラの試料(銘柄は、体長60cmを基準に、それ以上サワラ、それ以下サゴシとする)について一般成分(水分、灰分、脂肪、タンパク質)、脂肪酸組成等を明らかにした。
- 成分分析の結果、日本海産サワラの成分には以下の傾向が見られた(表1、2、図1)。
- 秋季:日本海西部~中部で漁獲されるサゴシは脂肪が少ない。サワラは脂肪が多い。
- 冬季:日本海西部で漁獲されるサゴシは秋季よりも脂肪が若干多い。日本海西部-東シナ海で漁獲されるサワラは脂肪が多い。
- 春季:日本海中部で漁獲されるサゴシは、冬季の日本海西部で漁獲されるサゴシよりも脂肪量が少ない。瀬戸内海で春季に漁獲されるサワラは脂肪量が少なく、生殖腺が発達している。
- 日本海産サワラの用途として、脂肪量の少ないサゴシは乾製品、燻製品、すり身など、脂肪量の多いサワラは鮮魚、漬け魚などが適当であると考えられた。
- 実用化事業に加工品開発の課題で参画している各県の研究機関より、事業の中で分析したサワラの成分データを提供していただき、当方で分析した成分データと合わせてエクセル形式の表に取りまとめ、日本海産サワラの成分データベースを構築した(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
構築した「日本海産サワラの成分データベース」は、今後の日本海産サワラから新たな加工製品を製造する際の加工技術や鮮度保持技術の開発に活用できるようにするため、水研センターのホームページなどで公開する予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3292&YEAR=2011
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カテゴリ |
加工
加工特性
鮮度保持技術
データベース
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