神奈川県の沿岸かつお一本釣漁業で漁獲されるクロマグロ

タイトル 神奈川県の沿岸かつお一本釣漁業で漁獲されるクロマグロ
担当機関 神奈川県水産技術センター
研究期間 1993~2010
研究担当者 石井 洋
岡部 久
発行年度 2012
要約 神奈川県におけるクロマグロの漁獲実態は、3月~8月までの期間は1歳魚を主漁場である伊豆大島周辺で漁獲し、8月~12月までの期間は当歳魚を主漁場である相模湾の陸棚及び縁辺部で1歳魚とともに漁獲していた。高精度海況図「関東・東海海況速報」等と漁況から、黒潮の暖水舌が主漁場に及ぶと好漁が期待できると推測される。
背景・ねらい 神奈川県の沿岸かつお一本釣漁業は、小型漁船を用いて相模湾及び伊豆諸島北部海域に出漁し、クロマグロ等を対象として日帰り操業を行っている。漁獲変動が大きく計画的な操業が難しいが、豊漁時には一本釣漁業等約70隻が漁場に集中することもあり、沿岸漁業にとって重要な魚種となっている。このことから、本県沿岸域のクロマグロの漁獲実態を明らかにするとともに、漁獲変動が大きいクロマグロの漁場形成要因の解明のため、高精度海況図「関東・東海海況速報」等を用いて、漁況と海況との関係について検討した。
成果の内容・特徴
○神奈川県におけるクロマグロの漁獲実態
沿岸一本釣漁業によるクロマグロ漁は、3月~8月までの期間は1歳魚を主漁場である伊豆大島周辺で漁獲し(図1)、8月~12月までの期間は当歳魚を主漁場である東京湾口以西から江ノ島にかけての相模湾の陸棚及び縁辺部、瀬の海から小田原沖で、1歳魚とともに漁獲していた(図2)。
○海況と漁況の関係
秋期にまとまった漁獲が見られた2009年11月上旬の操業位置及び漁獲量等と「関東・東海海況速報」とを比較すると、黒潮の暖水舌が大島東水道から主漁場に接近し漁場周辺に潮目が形成されていた(図3)。次に、初夏にまとまった漁獲がみられた2010年7月下旬の操業位置及び漁獲量等と「関東・東海海況速報」とを比較すると、7月16日の暖水波及により伊豆大島周辺が著しく昇温し下旬の好漁につながった(図4)。現時点では推測の域を出ないが、黒潮流路がNないしB型で黒潮の蛇行の北上部が伊豆諸島北部海域に接近し、暖水舌が主漁場におよぶと好漁が期待できると推測される。
成果の活用面・留意点 高精度海況図である「関東・東海海況速報」は、黒潮流路の変動や暖水舌等の消長が明確にとらえられるようになり、漁業者がこれから暖水舌等を読み取ることによりクロマグロの漁場探索の効率化が図られると考えられる。
この高精度海況図の運用開始や水色衛星情報の入手により、暖水波及パターンによる漁場形成の有無の解明等、漁場形成要因研究は大きく進展し、計画的な操業のための情報提供が可能になると考えられる。
図表1 235481-1.gif
図表2 235481-2.gif
図表3 235481-3.gif
図表4 235481-4.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4069&YEAR=2012
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