Cochlodinium sp.type-Kasasaの有害性

タイトル Cochlodinium sp.type-Kasasaの有害性
担当機関 熊本県水産研究センター
研究期間 2011~2011
研究担当者 高日新也
発行年度 2012
要約 Cochlodinium sp.type-Kasasaはシマアジ、ブリを短時間のうちにへい死させる有害プランクトンであることが分かった。本種の細胞密度と暴露時間及びへい死率の組み合わせは、シマアジは約4,900cells/ml・6時間で80%、ブリは8,300cells/ml・1時間で100%、約6,000cells/ml・4時間で50%であった。へい死した魚には鰓蓋の発赤、脳の発赤、心外膜の白濁等の所見がみられた。
背景・ねらい Cochlodinium sp.type-Kasasaは1982年及び1985年に鹿児島県南さつま市笠沙町片浦湾で赤潮化し、ブリ等の養殖魚類に計1億7千万円の被害が発生したことで知られる。本種は、養殖魚類の大量へい死を引き起こす有害藻類として知られるC.polykrikoidesとは形態や遊泳様式が異なることが指摘されているが、片浦湾以外での赤潮形成は稀であり、有害性に関する知見は少ない。
そこで、本種の有害性を確認するため、2011年11月に熊本県天草市牛深町茂串湾で発生した赤潮海水を用いて、曝露試験を実施した。
成果の内容・特徴 2011年11月に茂串湾にてCochlodinium sp.type-Kasasaの赤潮海水を小型漁船の活け間に揚水し、シマアジ、ブリに対する曝露試験を実施した。
本種の細胞密度、暴露時間及びへい死率の組み合わせは、シマアジは約4,900cells/ml・6時間で80%であった。ブリでは、8,300cells/ml・1時間で100%、約6,000cells/ml・4時間で50%であった。
へい死したシマアジ、ブリには鰓蓋の発赤、脳の発赤、心外膜の白濁等の所見がみられた。魚病検査を行った結果、これらは赤潮の曝露によって引き起こされたと考えられた。
成果の活用面・留意点 本研究により、Cochlodinium sp.type-KasasaはC.polykrikoides同様、魚類のへい死を引き起こす有害なプランクトンであることが分かった。本成果は、本種による赤潮発生時に養殖魚の餌止め、早期出荷等の被害軽減策や粘土散布による赤潮駆除を実施するにあたり、有害性の基準としての活用が見込まれる。
図表1 235495-1.gif
図表2 235495-2.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4223&YEAR=2012
カテゴリ 出荷調整

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