東シナ海・黄海で大型クラゲの初期幼体(エフィラ)を初めて発見

タイトル 東シナ海・黄海で大型クラゲの初期幼体(エフィラ)を初めて発見
担当機関 (独)水産総合研究センター 西海区水産研究所
研究期間 2006~2012
研究担当者 豊川雅哉
秋山秀樹
発行年度 2012
要約 大型クラゲの直径1-2mmの初期幼体(エフィラ)を東シナ海北西部から黄海にかけての2ヶ所から初めて発見した。エフィラは2011年5月22日と26日に採集された。成長段階と採集場所の水温(約16℃)から、ポリプから遊離したのは5月上旬と推定された。東シナ海および黄海沿岸の水温の推移と流れの向きを考えると、エフィラの発生源は、長江河口から江蘇省にかけての沿岸付近と考えられた。
背景・ねらい 大型クラゲは海底の付着基盤上に棲息するポリプから発生する。大型クラゲの出現量の年変動や、長期的な増加傾向の原因を明らかにするためには、発生源であるポリプの個体群動態や棲息海域の環境変動を明らかにする必要がある。そのためには、まずポリプの棲息場所を明らかにしなくてはならない。海底のどこに棲息するか未知のポリプを探し出すのは困難であるが、発生後間もないクラゲ幼体(エフィラ)の分布を明らかにすることで、ポリプの棲息海域を絞り込むことができる。大型クラゲの発生源は中国沿岸と推定されているので、そこでの分布調査が必要不可欠である。平成22年度から中国漁業局の指導の下、東海水産研究所に委託して、黄海~東シナ海で、大型クラゲの発生時期と推定される5月に大型クラゲ幼体の分布調査を実施した。
成果の内容・特徴 大型クラゲの直径1-2mmのエフィラ5個体を東シナ海から黄海にかけての2ヶ所から初めて発見した(図1)。エフィラは2011年5月22日と26日に採集された。先端が指状に枝分かれした縁弁の形態と、刺胞塊の配置の特徴から、いずれも大型クラゲのエフィラと同定した(図2)。エフィラは、いずれも二次縁弁(図2)が形成途上で、肩板は未形成であった。これは先行研究の、ポリプから遊離後5日目の形態と一致した。先行研究で飼育水温が22-28℃であったのに対し、採集場所の水温は約16℃であったことから、ポリプから遊離したのは5月上旬と推定された。東シナ海および黄海沿岸で5月上旬に、エフィラ発生に必要とされる20℃以上の水温に達するのは、ごく沿岸近くと長江河口付近であること、また、この海域の5月の流れが東向きであることを考えると、発見されたエフィラの発生源であるポリプの棲息場所は、長江河口から江蘇省にかけての沿岸付近と考えられた。
成果の活用面・留意点 長江河口沖合と江蘇省の沿岸付近に、大型クラゲのポリプが存在することが、ほぼ確実になった。これは今回発見した5個体のエフィラの発生源についての推定に過ぎない。ポリプの発見もこれからの課題である。大型クラゲの発生源の全体像を把握するには、さらなる調査が必要である。
図表1 235502-1.gif
図表2 235502-2.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4116&YEAR=2012
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