太平洋クロマグロ0歳魚加入豊度の早期把握を目的としたモニタリング手法の開発

タイトル 太平洋クロマグロ0歳魚加入豊度の早期把握を目的としたモニタリング手法の開発
担当機関 (独)水産総合研究センター 国際水産資源研究所
研究期間 2011~2012
研究担当者 大島和浩
植松周平
甲斐幹彦
竹内幸夫
発行年度 2012
要約 太平洋クロマグロ0歳魚の加入豊度の早期把握手法の開発のため、高知県において、曳き縄漁船による調査を実施した。曳き縄標本船から、0歳魚の漁況情報をリアルタイムに収集するシステムを構築した。このシステムにより、毎年の加入豊度が迅速に把握できる可能性が示された。
背景・ねらい 太平洋クロマグロは、各年齢で曳き縄、まき網、定置網及びはえ縄など様々な漁業で漁獲されており、漁獲尾数では全体の約95%が0~2歳の魚で占められている。最新の資源評価の結果から、0~3歳魚に対する漁獲死亡係数が高いことが明らかとなり、この幼魚に対する漁獲圧の削減が勧告されている。
クロマグロでは、毎年の加入豊度の変動が知られており、これに応じた資源管理を行うには加入豊度を早期に把握する必要がある。漁獲統計による曳き縄のCPUEが0歳魚の加入指標として資源評価で使用されているが、この方法では加入豊度を把握するまでに1年程の時間がかかる。本種は、0歳時から高い漁獲圧を受けるため、0歳の加入豊度をできるだけ早く把握する必要がある。高知県及び長崎県(五島・対馬)では、5~6月に南西諸島周辺で発生した生後2カ月前後の0歳魚を対象とした曳き縄漁業が盛んに行われており、本調査では、これら2県において、曳き縄漁船による調査を行い、加入豊度の早期把握手法の開発を試みた。本報では、高知県で得られた成果を報告する。
成果の内容・特徴
  1. 定線調査から得たクロマグロ0歳魚の密度指数は、漁獲統計による曳き縄CPUEのトレンドとほぼ一致した。また、標本船調査によるCPUEは、定線調査の密度指数のトレンドと変わらないことから、標本船のCPUEにより毎年の加入豊度が把握できる可能性が示された。
  2. 標本船調査では、漁船にデータ転送が可能なデータロガーを設置し、位置情報、水温情報及び漁獲情報をリアルタイムで収集するシステムを構築した。このシステムにより、クロマグロ0歳魚の漁況のリアルタイムモニタリングが可能となった。
  3. 将来的には、曳き縄標本船によるモニタリングシステムを中心として、加入豊度をモニターする。
成果の活用面・留意点 曳き縄標本船によるモニタリングシステムを日本海発生群を漁獲する地域(島根県隠岐諸島)にも適用することにより、標本船調査で得たデータの加入資源全体に対する代表性を高めることができる。これにより、0歳魚全体の加入豊度を迅速かつ高精度に把握することができる。
図表1 235504-1.gif
図表2 235504-2.gif
図表3 235504-3.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4253&YEAR=2012
カテゴリ モニタリング

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