タイトル |
サゴシあるいはサゴシ加工残滓を用いた石川県特産「いしる」の開発 |
担当機関 |
石川県水産総合センター |
研究期間 |
2009~2011 |
研究担当者 |
森 真由美
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発行年度 |
2012 |
要約 |
日本海では近年サワラの来遊量が急増している。しかし、日本海沿岸で漁獲されるサワラの若齢魚であるサゴシはほとんど需要がなく、有効利用が課題となっていた。そこで、サゴシを利用した石川県特産魚醤油「いしる」の製造技術に取り組んだ結果、イワシを原料とした市販品と遜色ない品質の「いしる」を製造することができ、サゴシは「いしる」原料として十分に利用可能であることが分かった。
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背景・ねらい |
日本海では近年サワラの来遊量が急増している。しかし、日本海沿岸で漁獲されるサワラの若齢魚であるサゴシはほとんど需要がなく、安価で取引されているのが現状である。そこで、サゴシおよびサゴシ加工残滓を利用した石川県特産魚醤油「いしる」の製造技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 発酵時に加温する速醸法で「いしる」の小容量醸造試験を行い、腐敗や品質のバラツキのない「いしる」を醸造するためには、原料に魚体丸のままを用いる場合は20%、頭部、骨、内臓などの加工残滓を用いる場合は25%の塩濃度が必要であることを明らかにした(図1)。
- 生産規模をスケールアップする際のノウハウについて検討し、タンク内の塩濃度を均一にすること、塩濃度が均一になるまで微生物の増殖を抑制できる温度で保持することが有効であると考えられた。
- 明らかになった発酵条件とノウハウを元に、製造規模のスケールアップを行った結果、実生産規模でも腐敗や品質のバラツキのない「いしる」を速醸することができた。また、発酵時に加温しない従来法でも同様の条件とノウハウを用いることで、品質に問題のない「いしる」を醸造することができた。
- 試験した「いしる」の試食アンケート調査を行い、味、香りなどの品質はイワシを原料とした市販品と遜色ないという評価を得た(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「いしる」の原料としてサゴシが利用可能であることが明らかになり、今後製造方法の普及指導に当たる予定である。
- 従来法については、最適な発酵期間などより長期にわたって検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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研究内容 |
http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4205&YEAR=2012
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カテゴリ |
加工
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