タイトル |
水産加工残滓や小型魚からステーキを作る |
担当機関 |
地方独立行政法人鳥取県産業技術センター |
研究期間 |
2009~2011 |
研究担当者 |
小谷幸敏
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発行年度 |
2012 |
要約 |
ほとんど利用されていない水産加工残滓や規格外部位、小型魚等から、筋繊維をできるだけ残したまま回収した魚肉を、可食性接着剤を用いることにより大型成型化し、しゃぶしゃぶ、ハンバーガー、ステーキなどを試作した。また、可食性接着剤と通電加熱を組み合わせることにより、凍ったままの魚肉を接着させる技術を新たに開発し、市松模様などデザイン性の高い大型成型魚肉製造を可能にした。
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背景・ねらい |
刺身やすしネタ、切り身加工等の際に生じる魚肉片や漁獲された小型魚の中には、品質や栄養面では優れているが、利用されていないものが多くある。そこで、選別、鮮度保持されたこれら加工残滓等から、筋繊維をできるだけ残したまま魚肉を回収し、鮮度を保持しながら可食性接着剤等や電気的処理を用いることにより大型成型化することで、多方面に使用できる新たな高付加価値魚肉素材を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 水産加工残滓(アジ中落ちやサバ魚肉片)から魚肉を剥き取り、可食性接着剤(トランスグルタミナーゼ製剤、カルシウム製剤)により、魚肉の食感を維持しながら大型成型化する手法を確立し、しゃぶしゃぶ(写真1)や酢じめ加工品、水産調味加工品などの用途を開発した。
- 可食性接着剤と電解質を魚肉間に挟み込んで通電することにより、魚肉間を優先的に発熱させ、魚肉接着反応を促進し、短時間で接着を可能にする技術を開発した。また、この技術は、凍ったままの魚肉にも応用可能で、市松模様などデザイン性の高い大型成型魚肉製造を可能にした(特願2012-047554)(図1、写真2)。
- 結着しにくい皮付きフィレの皮に傷を付けて強く接着させる技術を開発し、ハタハタステーキ、ハンバーガーなどを試作した(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 今までほとんど活用されてこなかった加工残滓や小魚等を有効利用できるようになり、水産加工食品製造企業において、不足しがちな良質な加工原料を確保することができるようになる。
- 開発された魚肉接着技術を活用して栄養価や風味、色調や食感などを多様に組み合わせるデザインフードが容易に製造できるようになり、水産加工食品の多様化(バラエティー化)、水産物の消費の拡大に寄与することができる。
- 開発された技術は、手軽で気軽に食べやすい魚商品(ファストフィッシュ)開発に格好の技術であり、幼年期の魚離れ防止や水産庁実施施策「魚の国のしあわせ」プロジェクト推進に寄与することができる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4211&YEAR=2012
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カテゴリ |
加工
高付加価値
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