初期加入資源の抑制によるコクチバスの繁殖抑制

タイトル 初期加入資源の抑制によるコクチバスの繁殖抑制
担当機関 新潟県内水面水産試験場
研究期間 2007~2011
研究担当者 前 雄介
伊藤陽人
小池利通
野上泰宏
森 直也
樋口正仁
発行年度 2012
要約 特定外来生物であるコクチバスは、生息域が多様であることから、駆除手法が確立されていない。急峻な地形のダム湖においては、これまでに刺網による親魚の駆除を行ってきたが、駆除効果が明確に発揮されなかった。そこで、産卵床に産着された卵の駆除及び電気ショッカーボートによる幼稚魚の駆除を継続して行った結果、バスの生息個体数が減少し、繁殖抑制効果が認められた。
背景・ねらい 冷水域・急峻域にも生息が可能とされているコクチバスは、山間部のダム湖においても確認されているが、従前の刺網による駆除手法のみでは個体数の抑制は困難であった。
そこで、駆除対象に初期加入資源(卵・幼稚魚)を加え、コクチバスの繁殖抑制を強化する。
成果の内容・特徴
  1. 新潟県の内の倉ダム湖において、コクチバス産卵床の吸引駆除を平成20年から4カ年実施し、平均で60%の産卵床の駆除を行うことが出来た(表1)。
  2. 電気ショッカーボートによる幼稚魚の駆除を平成21年から3カ年実施した。採捕されたコクチバスは主に0歳及び1歳魚で全体約9割を占めていた(図1)。また、3年間の調査の結果、推定生息尾数の約7割を駆除することが出来た(表2)。
  3. 産卵床駆除及び電気ショッカーボートによる駆除の効果を調べるため、刺網による採捕調査を実施した。その結果、電気ショッカーボート調査を実施した翌年度から刺網1反あたりの採捕尾数(CPUE)が約半数に減少した。また、電気ショッカーボート調査実施以前の刺網調査での採捕尾数の約半数を占めていた0~2歳魚の割合が大きく減少しており、繁殖抑制効果が認められた(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. コクチバスの産卵床及び幼稚魚をそれぞれの段階において駆除することで、高い繁殖抑制効果が得られる。
  2. 駆除する水域の透明度に留意して産卵床造成箇所を確認することが必要。
  3. 電気ショッカーボートによる駆除は、調査目的以外での使用が認められないことから、これを利用する場合は、国・県等の試験研究機関との連携が必要となる。
図表1 235528-1.gif
図表2 235528-2.gif
図表3 235528-3.gif
図表4 235528-4.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4147&YEAR=2012
カテゴリ 繁殖性改善

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