夕方の相対湿度と露点温度から翌朝の最低気温を予測する簡便式

タイトル 夕方の相対湿度と露点温度から翌朝の最低気温を予測する簡便式
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2008~2011
研究担当者 朝倉利員
杉浦裕義
杉浦俊彦
阪本大輔
児下佳子
発行年度 2011
要約 最低気温は前日18時の相対湿度と露点温度から簡便に予測できる。誤差は風速、雲量によって異なるが、幅広い地域において同一式での予測が可能である。
キーワード 晩霜害、最低気温、予測式、露点温度、風速
背景・ねらい 近年、温暖化にともなう発芽・開花期の前進化が顕著になっており、落葉果樹の晩霜害の発生が懸念されている。効率的な晩霜害対策を行うためには、最低気温の予測が重要である。最低気温予測法には、経験的な回帰モデルによる方法と熱収支に基づく物理的な方法とに分けられる。これらの方法は、地域限定であったり、多くのパラメータが必要である等、必ずしも使いやすいものではない。

そこで、夕方の露点温度、相対湿度等の気象要素を用い果樹園における翌朝の最低気温を予測する簡便で使いやすい予測式を作成する。
成果の内容・特徴
  1. 青森、山形、福島、松本の1990年~2009年の3~5月の気温について、最低気温(Tm)と前日夕方(18:00)の露点温度(Td)、相対湿度(H)との関係を調べると、図1のようにTmTd=a·ln(H)+bの関係(a、bは係数)が得られる。静穏晴天日(夜間平均風速2ms–1未満、雲量0.1以下)条件ではTm=Td–10.29ln(H)+42.0となり誤差(平均二乗誤差、RMSE)は1.39℃である(図2)。
  2. 予測式の係数および誤差は、風速、雲量で異なる(表1)。これら3つの式の誤差は、地点ごとに作成した予測式の誤差と同程度であることから、同一予測式で4地点の予測が可能である。
  3. 全条件適用可能な式(表1の(3)式)を、大きな晩霜害が発生した2001年4月の日本各地18地点のデータに適用すると、誤差は1.5~2.7℃であり、比較的よい一致が認められる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 果樹園等現場での観測データを利用した最低気温予測等、晩霜害の発生や防霜対策の必要性を判断する際の、目安として利用できる。適用期間は3~5月に限られる。
  2. ここで用いた気象データは気象官署のデータである。最低気温は毎時気温から求めた夜間(18:00~翌朝の9:00)の最低値であり、雲量(0~1)は、21:00と3:00の平均である。
  3. 露点温度は測定も可能であるが、気温と相対湿度を用いて湿り空気線図や湿り空気の関係式から求めることができる。
  4. 夜間に天気が急変する条件では、誤差が大きくなる。
図表1 235609-1.gif
図表2 235609-2.gif
図表3 235609-3.gif
図表4 235609-4.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2011/210b0_10_05.html
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