甘蔗糖度が高く収量の多い早期収穫向けサトウキビ新品種「KN00-114」

タイトル 甘蔗糖度が高く収量の多い早期収穫向けサトウキビ新品種「KN00-114」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 1999~2011
研究担当者 石川葉子
寺内方克
境垣内岳雄
服部太一朗
松岡 誠
氏原邦博
伊禮 信
寺島義文
杉本 明
小牧有三
四藏文夫
長井純一
樋高二郎
藤﨑成博
白澤繁清
園田純也
西 裕之
竹牟禮穣
緒方寿明
発行年度 2011
要約 サトウキビ新品種「KN00-114」は、甘蔗糖度が高く収量が多い。鹿児島県大島地域においては、通常の収穫期に加え、低糖度が問題となる早期(12月)の収穫にも適する。
キーワード サトウキビ、甘蔗糖度、早期高糖、早期収穫
背景・ねらい 南西諸島では、台風干ばつの回避や作業競合の緩和のために、収穫の早期化が求められている。現在、大島地域では、「F177」、「NiF8」、「Ni17」、「Ni22」等の品種が栽培されているが、これらのうち「F177」は晩熟で、早期高糖とされる「NiF8」や「Ni17」であっても早期収穫には十分に対応できていない。

こうした背景の下、より早期高糖性を具えた「Ni22」の栽培面積が拡大しているが、「Ni22」は茎径が“細”と細く、脱葉性が“中”であり、収穫しにくいことが課題となっている。そのため早期収穫に適するだけでなく、収穫しやすい品種が求められている。
成果の内容・特徴
  1. 「KN00-114」は、南アフリカ糖業研究所で行われた「88F1903」と「MO-F」との交配に由来する。交配種子を日本に導入し、2000年に実生選抜を実施して以降、茎数と高糖性を重視して選抜した系統である(図1)。
  2. 「NiF8」に比べてやや細茎であるが、脱葉性は「やや易」で、耐倒伏性に優れ、機械収穫に適するほか、手刈り収穫も可能である(表1)。
  3. 黒穂病、葉焼病およびさび病類に抵抗性である(表1)。
  4. 原料茎の収量、甘蔗糖度、可製糖量は、春植え、株出しのいずれにおいても「NiF8」よりも高い(表2)。
  5. 徳之島における早期収穫での甘蔗糖度は「NiF8」よりも高く、大島地域では従来の収穫期よりも早い早期収穫に適する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象(鹿児島県大島地域のサトウキビ生産者・製糖工場等)
  2. 普及予定地域・普及予定面積(鹿児島県大島地域・1,000ha)
  3. その他
    1. 鹿児島県が大島地域を対象に「F177」、「NiF8」、「Ni17」の代替品種として奨励品種に採用。
    2. 台風による折損が頻発する圃場での栽培は避ける。
    3. 収穫後の株出し処理をすみやかに実施することにより、茎数確保に努める。
図表1 235840-1.png
図表2 235840-2.png
図表3 235840-3.png
図表4 235840-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2011/320c0_01_43.html
カテゴリ さとうきび 新品種 抵抗性 品種

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