4tトラックに積載可能な小型汎用コンバイン

タイトル 4tトラックに積載可能な小型汎用コンバイン
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2008~2011
研究担当者 梅田直円
栗原英治
嶋津光辰
三菱農機(株)
発行年度 2011
要約 小区画ほ場やほ場の分散等により、既存の汎用コンバインの導入が困難な地域においても利用可能な小型汎用コンバイン。4tトラックに積載可能であり、水稲収穫作業において脱穀選別損失の発生を3%程度に抑え、作業速度1m/s程度で収穫することができる。
キーワード 汎用コンバイン、送塵弁開度制御機構、フッ化樹脂コート、狭ピッチ切断部
背景・ねらい 中山間地など大区画化が困難な地域の水稲、麦、大豆等の複合栽培経営体では、4条刈り程度の自脱コンバインと大豆用コンバインとを所有する場合が多く、農作物の生産費を圧迫している。多様な作物が収穫可能な汎用コンバインを導入できれば、コンバイン所有台数を2台から1台に減らせ、収穫に要する資材費を約半分に低減できる。しかし、市販されている汎用コンバインは、重量が4t以上あり、機体が大きく、搬送に大型のトラックが必要であるため、幅の狭い農道や区画整備が進んでいない地域への導入は困難である。

そこで、大型のトラックの通行が困難、あるいは、小区画なほ場で分散したような条件不利地域においても利用可能な小型汎用コンバインを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本機は、全長4.8~5.5m、全幅2.15m、機体重量3.4~3.7tで、4tトラックに積載可能な小型の汎用コンバインである(図1)。また、保安基準に適合しており、公道を走行可能である。さらに、スライド引き抜き式揺動選別部および跳ね上げ式脱穀部サイドカバーを備え、機体内の清掃等を容易に行うことができる。
  2. 脱穀部の小型化・省エネルギ化を図るための送塵弁開度制御機構、大豆の汚粒を低減するためのフッ化樹脂コートを施した揺動選別部(平成20年研究成果情報参照)、大豆の頭部損失を低減するための狭ピッチ切断部(平成18年研究成果情報参照)を備えている。
  3. 送塵弁開度制御機構は、こぎ室内のつまりを防ぐことで脱穀動力を抑え、高流量の収穫物を処理できることから高速作業が可能となる。送塵弁の初期開度を閉め側で制御する場合、水稲収穫では送塵弁を制御しない場合と比較して作業速度は20%程度高い。
  4. 水稲収穫作業では、脱穀選別損失の発生を3%程度に抑え、刈り高さ15cm程度で、脱粒性「中」では作業速度は最高で1.0m/s程度、脱粒性「難」では0.6~0.8m/s程度で収穫することができる(表1)。
  5. 麦収穫作業では、作業速度は最高で1.4m/s程度で収穫することができ、脱穀選別損失は「少」以下である。損傷粒の発生は「無」で、夾雑物は「少」である(表2)。
  6. 大豆収穫作業では、作業速度は最高で1.4m/s程度で収穫することができ、脱穀選別損失は「少」である。損傷粒は「少」で、夾雑物は「少」以下である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:稲、麦、大豆等を栽培し、4条刈程度の大きさの自脱コンバインおよび大豆用コンバインを所有している経営体
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:区画整理が未実施な地域に普及予定であり、見込まれる普及台数は最初の5年間で400台程度。
  3. その他:平成23年度に市販化予定。
図表1 235844-1.jpg
図表2 235844-2.png
図表3 235844-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2011/600a0_01_59.html
カテゴリ 経営管理 市販化 省エネ・低コスト化 水稲 大豆 中山間地域

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