作業機との連携機能を備え汎用的に利用できる経路誘導装置

タイトル 作業機との連携機能を備え汎用的に利用できる経路誘導装置
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2008~2010
研究担当者 紺屋秀之
林和信
堀尾光広
重松健太
吉野知佳
松野更和
(株)IHIスター
(株)ササキコーポレーション
発行年度 2011
要約 GPSの位置情報に基づき、任意の2地点を結ぶ基準直線に対して等間隔で平行な直線作業経路を作業者に指示し誘導する装置である。作業幅の広い作業に汎用的に利用でき、誘導経路間隔の設定、作業機の動作の開始・停止を自動的に行うことも可能である。
キーワード GPS、誘導、広幅作業、作業機、汎用利用
背景・ねらい ブロードキャスタ、ブームスプレヤー、マニュアスプレッダ等、作業幅の広い作業機の利用はほ場作業の能率向上に有効であるが、10m以上にも達する作業行程間隔を適切に保ち、重複作業や未作業部の発生を抑えるためには、手間のかかる目標物の設置や作業者の高い熟練を必要とし、改善が望まれている。また、一定かつ作業機の能力を最大に活かした行程間隔で作業を行うことで、作業ムラの低減、作業能率の一層の向上が期待できる。

そこで、GPSの位置情報に基づき動作し、任意の2地点を結ぶ基準直線に対して平行な誘導直線上に作業者を誘導する装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発機は、GPS受信機、演算・誘導指示部から構成される。概ね0.6m以下の誤差で誘導指示を行えるのでトラクタや乗用管理機に搭載して主に広幅作業に汎用的に利用することができる(図1)。
  2. 演算・誘導指示部は、GPS受信機から得られた位置情報を利用し、作業者が設定する2地点の記憶や誘導に必要な演算を行うとともに、誘導経路からの作業機の距離、誘導経路に対する作業機の進行方向を画面表示することにより、適切な作業行程間隔での作業を支援する(図2、3)。また、立毛中の作業などで装置画面を注視できない条件での利用を想定し、ブザー音で旋回開始のタイミング等を通知する機能も備えている。
  3. 開発機は、ほ場の外周を走行することによりほ場の大きさや形状を記憶することができ、記憶したほ場の大きさから最適な作業行程間隔の自動的な設定をほ場形状から作業の重複が生じない適切な散布等の開始、停止タイミングの判定をすることができる(図4)。
  4. 開発機の設定値や制御信号を流量制御に反映することができる施肥機(例えば、「GPSの速度情報と肥料の流動性指標値により繰出量を調節できるブロードキャスタ(2010年度研究成果情報、技術・普及)」)に開発機を接続して用いる場合には、作業行程間隔によらず面積当り施肥量を一定に保った作業が可能となる。また、この場合、旋回時には誘導装置が判定したタイミングで散布の開始・停止を自動的に行うことができ、作業者の熟練の程度に関わらず、高い精度の作業を行うことが可能である(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:全国の水稲作、畑作農家。
  2. 普及予定地・普及予定面積・普及台数等:全国の水稲作、畑作地域(主に、北海道、東北等の大規模水田あるいは畑作農家)。普及目標台数は、今後5年間で300台程度。
  3. その他: 2011年5月から販売(販売実績30台以上)。
図表1 235850-1.png
図表2 235850-2.jpg
図表3 235850-3.jpg
図表4 235850-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2011/600b0_01_64.html
カテゴリ 肥料 GPS 水田 水稲 施肥

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