木質材料からのアセトアルデヒド放散のしくみを明らかに

タイトル 木質材料からのアセトアルデヒド放散のしくみを明らかに
担当機関 (独)森林総合研究所
研究期間
研究担当者 塔村 真一郎
宮本 康太
井上 明生
大平 辰朗
松井 直之
石川 敦子
秋津 裕志
鈴木 昌樹
朝倉 靖弘
伊佐治 信一
発行年度 2013
要約 木質材料からの室内空気汚染物質アセトアルデヒドの発生原因を解明し、材料の放散値から室内濃度を予測することで安全性を評価できるようになりました。
背景・ねらい アセトアルデヒドは厚生労働省の室内濃度指針値が策定されている化学物質の一つです。住宅の実態調査では木造住宅で濃度が高くなるとの報告もあったため、木質建材を発生源とする考え方もありましたが、詳しいことはわかっていませんでした。
そこで木質材料からのアセトアルデヒドの発生原因を確かめるため、原料や製造過程の影響について調べました。
その結果、二つの原因がありました。一つは、生きている木材に元々少しだけ含まれていたアセトアルデヒドが放散することです。もう一つは、製造過程で木材にエタノールが加えられると、アセトアルデヒドが発生してくることでした。さらに材料の放散値から室内濃度を予測することで安全性が評価できるようになりました。
成果の内容・特徴

木材からの発生メカニズム

伐採直後の木材からは微量のアセトアルデヒドが放散されています。これは生きている材に元々少量含まれていたものですが、自然乾燥で速やかに減少しました。
一方、木材に直接エタノールを塗ると、樹種によっては材に含まれているより多くのアセトアルデヒド放散が検出されました。これは主に木材中に残るアルコール脱水素酵素の働きによってアルコールからアセトアルデヒドが作られるためと考えられます(図1)。

木質材料製造工程の影響

木質材料の製造中にエタノールが混入するとアセトアルデヒドの発生要因となることが考えられますが、調べてみると接着剤にエタノールが含まれる場合にだけアセトアルデヒドが検出され、これは上記の原因によるものと思われます。
また、木質ボードなどを製造するときは高温でプレスする必要があるため、プレス中の熱圧温度の影響を調べたところ、温度が高くなるとアセトアルデヒドの発生が多くなることがわかりました。しかし、製造後の製品からの放散量は極めて低い値を示し、製造中の熱圧温度は製品の放散量には影響しないことがわかりました。

室内濃度の安全性評価

市販の各種木質建材からのアセトアルデヒド放散量を測定した結果、全ての材料で2週間後にはとても少なくなることがわかりました(図2)。また、アセトアルデヒドの放散は温度と湿度によって多少変化することもわかりました。
これらの材料を内装材として床と壁4面に施工したモデル室内の空気を実測したところ、アセトアルデヒド濃度は、室内濃度指針値を下回り、木質材料を内装に多用した場合でも室内空気は安全であることがわかりました。さらにこの実測値は、各材料の放散値を基にして計算した室内濃度の値とほぼ一致し、材料の測定値から室内濃度の予測が可能になることを明らかにしました(図3)。
これらの成果は、木造住宅の安全安心を保証するものであり、公共建築物の木造化や内装の木質化等に貢献します。

本研究は森林総合研究所交付金プロジェクト「木質材料からのアルデヒド類放散特性の解明と安全性評価」の成果です。
図表1 235886-1.png
図表2 235886-2.png
図表3 235886-3.png
研究内容 http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2013/documents/p18-19.pdf
カテゴリ 乾燥

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