ハクサイ根こぶ病抵抗性遺伝子Crr1a

タイトル ハクサイ根こぶ病抵抗性遺伝子Crr1a
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2004~2012
研究担当者 畠山勝徳
諏訪部圭太
加藤丈幸
布目 司
福岡浩之
松元 哲
発行年度 2012
要約 ハクサイ根こぶ病抵抗性遺伝子Crr1aは、TIR-NB-LRRモチーフを有するタンパク質をコードし、根の中心柱および皮層周辺において発現する。Crr1aを導入することで、根こぶ病の病原型グループ2および4に分類される菌系に対する抵抗性を付与できる。
キーワード ハクサイ、根こぶ病、抵抗性遺伝子
背景・ねらい 根こぶ病抵抗性はアブラナ科野菜の重要な育種目標の1つである。これまでに、抵抗性素材カブ「Siloga」において根こぶ病抵抗性遺伝子座Crr1Crr2が同定されているが、遺伝子の塩基配列情報、発現部位、菌系の病原型との対応関係についての情報はほとんどない。Crr1遺伝子座が存在する染色体領域の詳細な解析から、この領域には単独で根こぶ病抵抗性を発揮する遺伝子Crr1aCrr2遺伝子座とともに抵抗性を発揮する遺伝子Crr1bが存在することが示唆されている。そこでCrr1a遺伝子を単離し、その構造、発現および機能を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. Crr1aBrassica rapa連鎖群A08上の2つのDNAマーカー(B355H7とB359C3)間の8kb内に存在し、4つのエキソンからなる遺伝子である(図1)。
  2. Crr1aは、病害抵抗性遺伝子に特徴的なTIR(Toll/インターロイキン-1受容体相同)領域、NB(ヌクレオチド結合)領域、LRR(ロイシン反復)領域を有するタンパク質をコードする遺伝子である(図1)。
  3. Crr1aを過剰発現する形質転換したシロイヌナズナは、菌株「Ano-01」に対して抵抗性を示す(図2、表1)。
  4. Crr1aの根における発現部位は、根こぶ病の第2次感染が起こる中心柱および皮層周辺であると推定され(図3)、抵抗性植物において病原体の増殖抑制が観察される部位と一致する。また、抵抗性とは無関係な第1次感染が起こる根毛は発現部位ではないと推定される(図3)。
  5. Crr1aは、判別品種「CR隆徳」、「SCRひろ黄」を用いて分類される4つの病原型のうち、グループ2および4の菌系に対して抵抗性の効果を有する(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:民間種苗メーカー、公立研究機関等。
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:実用品種育成に向けて本研究の情報を活用して3件の共同研究を実施中。
  3. その他:本遺伝子の塩基配列情報は、GenBankに登録されている(accession no. AB605024)。Crr1遺伝子の塩基配列情報を利用することで、Crr1a遺伝子座に連鎖するSSRマーカーBRMS-173(2002年成果情報)よりも高精度なDNAマーカーの作製が可能となる。「はくさい中間母本農9号」を素材として、効率的にハクサイにCrr1aを導入することができる。
図表1 236003-1.png
図表2 236003-2.png
図表3 236003-3.png
図表4 236003-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2012/113b0_01_09.html
カテゴリ あぶらな 育種 かぶ DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 はくさい 病害抵抗性 品種

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