飼料用米サイレージの調製貯蔵中にフモニシンは増加しない

タイトル 飼料用米サイレージの調製貯蔵中にフモニシンは増加しない
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2010~2012
研究担当者 上垣隆一
井上秀彦
月星隆雄
遠野雅徳
発行年度 2012
要約 飼料用米のサイレージ調製貯蔵中に、嫌気条件が保たれていれば、仮にフモニシン産生かびが存在しても、フモニシン濃度は増加しない。
キーワード 飼料用米、サイレージ、フモニシン
背景・ねらい 近年、飼料用米の作付面積は増加しており、その貯蔵のための様々なサイレージ調製法が開発されつつある。一方で、収穫調製後にかびが発生しやすいことが問題となっており、かび毒の増加が懸念されている。飼料用米のサイレージ貯蔵の場合は、イネから頻繁にFusarium fujikuroi等のフモニシン産生かびが単離されることから、かび毒の中ではフモニシンが特に問題となる。フモニシンにはB1、B2等の同族体があり、腎および肝毒性を有し、馬の白質脳軟化等を誘発することが知られている。国内においてフモニシンの規制値は定められていないが、米国やEU等で、飼料や食品中に1~100mg/kgの規制値が設定されている。飼料の安全性と安全生産を確保するために、飼料用米のサイレージ貯蔵中におけるフモニシン産生の有無、および産生条件を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 飼料用米「モミロマン」の籾米および破砕籾米(水分18%)を、水分を35%となるように加水しサイレージ調製を行い、20~25℃、40日間貯蔵すると、嫌気状態の時にサイレージ発酵が進行する(表1、処理4)。その時フモニシン産生かびF. fujikuroiを添加した場合(胞子数として1×103個/g新鮮物中)でも、サイレージの発酵品質は良好に進行する(表1、処理5)。
  2. フモニシン産生かびが原料中に存在したとしても、嫌気状態であればフモニシンの増加は認められない(図1、処理5)。
  3. フモニシン産生かびが優位な条件(原料を滅菌かつ好気的)においてでは、フモニシン濃度が増加する(図1、処理7)。サイレージ調製貯蔵中にフモニシンを増加させないために、フモニシン産生かびが優位にならないように嫌気性を維持することが重要である。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は、実験室規模での実験に基づいたデータである。
  2. 実規模レベルのドラム缶(15kg)でのサイレージ調製により、原料籾米中のフモニシン濃度(フモニシンB1+B2)は15µg/kg乾物、飼料用米サイレージ(非かび部)は10±7.9(平均値±標準偏差;n=12)µg/kg乾物、同サイレージ(かび部;n=6)は4.0±0.9µg/kg乾物となり、実験室規模での実験と同様な結果となることを確認している。
図表1 236027-1.png
図表2 236027-2.png
図表3 236027-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2012/120c6_04_19.html
カテゴリ 飼料用米

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