ブタの胸最長筋における脂肪含量は飼料中リジン濃度に用量依存的に反応する

タイトル ブタの胸最長筋における脂肪含量は飼料中リジン濃度に用量依存的に反応する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2006~2012
研究担当者 勝俣昌也
京谷隆侍
石田藍子
大塚 誠
中島一喜
発行年度 2012
要約 リジン含量が0.40、0.48、0.56、0.64%の飼料を肥育後期豚に2カ月間給与すると、胸最長筋の筋肉内脂肪含量は、飼料中リジン含量に用量依存的に反応する。
キーワード 筋肉内脂肪含量、ブタ、アミノ酸制御、リジン
背景・ねらい 筋肉内脂肪(IMF)含量が高くなると、豚肉はやわらかくなり、多汁性も増す。テーブルミートとしての豚肉の消費が多いわが国では、豚肉のIMF含量は重要な要因のひとつになっている。
豚肉のIMF含量を高くする技術の開発が必要だが、リジン濃度を要求量よりも30%程度低くした飼料を、肥育後期豚に2カ月間給与すると、胸最長筋のIMF含量が高くなる。しかし、この方法では必須アミノ酸を不足させるため、飼料効率の低下や肥育期間の延長など、克服するべき課題も残されている。
ところで、IMF含量がリジン濃度に用量依存的に反応すれば、飼養成績への影響は小さく、かつ、IMF含量を高くするリジン濃度を決定することができる。そこで、ブタのIMF含量が飼料中リジン濃度に用量依存的に反応するか、明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 飼料中のリジン濃度が0.40、0.48、0.56、0.64%となる飼料を調製する―飼料添加用のアミノ酸を活用して、他の必須アミノ酸は要求量を満たし、かつ、それぞれのアミノ酸、粗タンパク質、可消化エネルギー濃度に飼料間で差が無いように調製する。
  2. 100日齢、体重58kgのLWD三元交雑種に、上記の飼料を2カ月間給与する。試験期間中は不断給餌、自由飲水、単飼条件とする。
  3. 枝肉歩留り、背脂肪厚、ロース芯面積、飼料摂取量にリジン濃度の影響はない(表1)。一方、リジン濃度が低いほうが日増体量と飼料効率は低くなり、1次効果がある(表1)。
  4. リジン濃度が低いほうが胸最長筋のIMF含量は高くなり、1次効果がある(図1)。以上の結果から、「ブタの胸最長筋における含量は飼料中リジン濃度に用量依存的に反応する」と結論する。
成果の活用面・留意点
  1. IMF含量が高い豚肉を生産する技術を開発する際の基礎データとして活用できる。
  2. 過度にリジン濃度を低くすると、日増体量と飼料効率が低くなり、肥育日数は長くなる。また、背脂肪は厚くなってしまう。生産現場で活用する場合には、それぞれの現場における実証試験が必要となる。
  3. 日本飼養標準・豚2005年版に示されている式で、体重92.5kgの肥育豚が1日あたり900g増体するときの、風乾飼料中含量としてのリジン要求量を計算すると0.57%になる。
図表1 236038-1.png
図表2 236038-2.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2012/130e0_02_07.html
カテゴリ 飼料効率

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