エリアンサス属及びサトウキビ属の主要遺伝資源・系統の遺伝的多様性

タイトル エリアンサス属及びサトウキビ属の主要遺伝資源・系統の遺伝的多様性
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2010~2011
研究担当者 霍田真一
蝦名真澄
小林 真
服部太一朗
寺内方克
松波寿弥
発行年度 2012
要約 エリアンサス属及びサトウキビ属の遺伝的多様性をAFLP解析によって明らかにしたところ、エリアンサス属は日本型とインドネシア型に大別され、サトウキビ属は種によって分別される。遺伝資源・系統間の類縁関係は育種の基礎情報として利用できる。
キーワード エリアンサス属、サトウキビ属、AFLP、遺伝的多様性、バイオ燃料
背景・ねらい エリアンサス(Erianthus arundinaceus)はバイオ燃料の原料となるイネ科永年性草類として注目され、育種や栽培に関する研究が進められている。形態による分類ではサトウキビ属(Saccharum spp.)に含めるとする知見もあり、交雑親和性もあるため、サトウキビに耐干性や多収性を付与する目的で1980年代から国内で遺伝資源収集と属間雑種の育成が行われている。遺伝情報に基づく類縁関係は明らかにされていないため、エリアンサス属及びサトウキビ属の遺伝資源・主要系統について遺伝的多様性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. エリアンサス属の遺伝資源及び育成系統18系統の葉身から抽出したゲノムDNAのAFLP解析では1115の増幅断片が得られ、このうち772が多型を示す。
  2. サトウキビ属の遺伝資源及び育成品種・系統12品種・系統の葉身から抽出したゲノムDNAのAFLP解析では、1521の増幅断片が得られ、このうち1171が多型を示す。
  3. 16組のプライマーから得られた2245のAFLPマーカーによって、供試系統の遺伝的類縁関係を系統樹として示すことができる(図1)。
  4. エリアンサスは日本型とインドネシア型(グループⅢ)に大別され、日本型はさらに、静岡県で収集された遺伝資源「JW630」を含むグループⅠと沖縄県で収集され、草型・出穂期・緑度維持の面で特徴のある遺伝資源「JW4」を含むグループⅡに分かれる(図1、図2)。
  5. サトウキビ属はエリアンサス属と明確に区別され、交雑親和性に拘わらず遺伝的には必ずしも近縁ではない。さらに、サトウキビ属は一般にサトウキビ野生種と呼ばれるS. spontaneumのグループとそれ以外の種で構成されるグループに大別される(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. エリアンサス属及びサトウキビ属の主要な遺伝資源・育成系統についての知見であって両属の遺伝的多様性を網羅していないものの、国内遺伝資源を基軸にした品種育成において基礎情報として活用できる。
  2. 栽培上の特性を評価するためには1個体当たり約2㎡の圃場と2~3年を要するエリアンサスにおいて、遺伝資源及び育成系統の遺伝的特性の予測が可能になる。
図表1 236047-1.png
図表2 236047-2.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2012/220a0_01_01.html
カテゴリ 育種 遺伝資源 さとうきび 多収性 品種

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