乳牛の長命性の遺伝的能力をより正確に推定する方法

タイトル 乳牛の長命性の遺伝的能力をより正確に推定する方法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2009~2012
研究担当者 萩谷功一
大澤剛史
増田 豊
鈴木三義
山崎武志
長嶺慶隆
富樫研治
発行年度 2012
要約 在群期間に関する育種価推定のために用いる形質の最適な組み合わせを検討する。在群期間、乳量、体細胞スコア、肢蹄、胸の幅、鋭角性、乳房の懸垂、乳房の深さおよび前乳頭の配置を含めたとき、在群期間推定育種価の信頼度が最大である。
キーワード 在群期間、育種価、乳用牛
背景・ねらい 雌牛の世代交代のためのコストを低下させるとともに、選抜の機会を増加させることが酪農家に経済的な利益をもたらす。そのため、現在では多くの国で長命性の遺伝的改良が実施され、日本でも2006年から長命性を表す指標のひとつである在群期間について、全国データによる種雄牛の推定育種価を公表している。在群期間の育種価推定の課題は、国内で凍結精液が販売される若い種雄牛の娘の多くが生存中であり、在群期間に関する情報が少ないことから、推定育種価の信頼性が低いことである。そのため、在群期間の推定育種価は他の形質(泌乳、体型など)の情報を補完することで、その信頼性を確保している。そこで在群期間の遺伝評価に利用可能な形質を精査し、在群期間の推定育種価の信頼度を高める形質の組み合わせを示す。
成果の内容・特徴
  1. 初産次の収集可能な情報(乳量、泌乳持続性、体細胞スコア、体型を含む)と在群期間との遺伝的関連性を表す最新の遺伝的パラメータが得られる(図1)。
  2. 在群期間の遺伝的能力推定のために採用する形質数を8形質(在群期間を除く)としたとき、種雄牛に関する在群期間推定育種価の信頼度が最大となるのは、在群期間、乳量、体細胞スコア、肢蹄、胸の幅、鋭角性、乳房の懸垂、乳房の深さおよび前乳頭の配置を含めた場合である(表1)。
  3. 50頭の娘牛をもつ種雄牛を仮定したとき、本研究で推定したパラメータおよび最適な形質の組み合わせを採用することにより、従来との比較で在群期間推定育種価の信頼度が10%単位程度(42%から52%まで)改善する(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:乳牛の改良行政、家畜人工授精師
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:本研究結果は、乳用牛評価技術検討会1および家畜改良推進事業に係る後代検定技術検討会2で認められ、国内の在群期間の遺伝評価に2011年8月評価から採用されている。
    1家畜改良センター主催。参集範囲:農研機構、帯広畜産大学、日本ホルスタイン登録協会
    2乳用牛群検定全国協議会主催。参集範囲:農林水産省、農研機構、帯広畜産大学、家畜改良センター、家畜改良事業団、日本ホルスタイン登録協会、北海道酪農検定検査協会、北海道ホルスタイン農協、北海道人工授精師協会、家畜人工授精事業体協議会、ジェネティクス北海道
  3. その他:在群性と他の形質との遺伝的な関係は、年次により変化することが認められているため、定期的に見直す必要がある。
図表1 236171-1.png
図表2 236171-2.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2012/130f0_01_15.html
カテゴリ 育種 コスト 乳牛 評価法

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