タイトル | 養殖銀ザケの復興事業計画案に関する効率性評価 |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 東北区水産研究所 |
研究期間 | 2013~2017 |
研究担当者 |
高橋義文 |
発行年度 | 2013 |
要約 | 本研究では、『がんばる養殖復興支援事業』認定済の経営体に対し、1.DEA(包絡分析法)を用いて震災前(実績値)と震災後(目標値)の効率性を試算し、2.認定グループ内での相対的順位がどのように変化したのかを明らかにした。その結果、各グループは1)効率化をより押し進めたグループ,2)相対的な効率化を目指したグループ,3)実現可能性を深く考慮したグループに分けられることがわかった。 |
背景・ねらい | 銀ザケ養殖業の復興の第一条件として、生産者サイドの経営効率化、安定化が求められている。しかしながら、何を持って効率化と見なすかは多く議論されている所であり、総合的な効率化となるとその判断は極めて困難である。そこで本研究のねらいは、評価の難しい経営の効率化(経営の総合評価)の評価を試みることである。 |
成果の内容・特徴 | 本研究の特徴は、効率性の評価手法として有名なDEA(包絡分析法)を用いて、銀ザケ養殖業を営む経営体(グループA~J)の効率性評価を行ったことである。 本研究の試算では、最も効率的となる効率値=1.0を出力した経営グループは震災前(実績値)でE,G,Hの3グループ、震災後(目標値)でB,E,G,H,Iの5グループであることが明らかとなった。また、震災前後の効率値の比率差を見ると、グループB,E,G,H,Iは震災前から震災後にかけて効率性を維持しているか効率性を改善させているため、効率化を押し進めようとした目標設定を立てたグループであることがわかった。次に、グループA,C,D,Jは効率値=1.0とはならないものの、震災後の効率値がより1.0に近づいていることから、相対的に効率化を目指した目標設定を立てたグループであることがわかった。最後に、グループFは震災後の効率値が1.0からより離れた値となったことから、実現可能性を深く考慮した目標設定を立てたグループであることが推察された。 |
成果の活用面・留意点 | 本研究の成果は、経営体グループの効率性を複数の項目から総合評価したものである。各グループの相対的順位を客観的に明示することでグループ間競争が生まれ、銀ザケ養殖業全体の経営効率化に繋がることが期待される。 なお、今回の計測モデルは他のモデル(BCC,IRS,DRS,GRS)よりも平均効率値が低かったCCRモデルを採用した。 今後は、各経営体グループのパネルデータを取り、DEAのWindow分析を行うことで各グループの経年変化を試算したい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4668&YEAR=2013 |
カテゴリ | 経営管理 |