タイトル | Dry marking methodによるサケ発眼卵の耳石標識 |
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担当機関 | (独)水産総合研究センター 日本海区水産研究所 |
研究期間 | 2012 |
研究担当者 |
飯田真也 小倉康弘 宮内康行 江田幸玄 |
発行年度 | 2013 |
要約 | Dry marking method(以下DMM)によるサケ発眼卵への施標を試みた。施標卵の浮上期までの生残率は約98%であり、DMMを用いることに問題はなかった。DMMによる施標成功率は13~96%であり、ふ化槽内の湿度が飽和に近い状態はDMMに不適であることが示唆された。 |
背景・ねらい | DMMは、断熱したふ化槽内の発眼卵を水中から大気中にさらして生理的ストレスを与え、耳石に発眼卵の露出頻度に応じた規則的なリングを形成させる施標方法である(Rogatnykh et al. 2001, 図1)。DMMは特殊な装置や運用コストを必要としない省エネな施標方法であるが、技術的問題からロシアでしか実用化されていない(浦和 2001)。 |
成果の内容・特徴 | ・千歳さけます事業所(以下:千歳,ふ化用水温8℃)および三面川ふ化場(以下:三面,同13℃)において、断熱ふ化槽(以下:断熱)と通常のふ化槽(以下:通常)に発眼卵を収容した。両所において、各ふ化槽を24h×2回,12h×2回断水し(図2)、HatchCode:2-2nH(図3)の施標を試みた。 ・DMMによる各ふ化槽の施標成功率は、千歳-断熱:96%、通常:47%、三面-断熱:13%、通常:49%であった。DMMを施した卵の浮上期までの生残率は約98%であった。 ・湿度が95.4~100%RHの範囲で推移していた三面・断熱(図2)の施標成功率が低いことから、断水中のふ化槽内湿度が飽和に近い状態ではDMMに不適であることが示唆された。 |
成果の活用面・留意点 | 省エネな施標方法として有望であるDMMによる施標に日本で初めて成功した。ただし、施標成功率を上げるため、ふ化槽湿度等の施標条件のさらなる検討が必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4613&YEAR=2013 |
カテゴリ | コスト 省エネ・低コスト化 |