ヒラメの放流種苗サイズとイシガニの捕食

タイトル ヒラメの放流種苗サイズとイシガニの捕食
担当機関 (独)水産総合研究センター 日本海区水産研究所
研究期間
研究担当者 山田達哉
山本岳男
長副 聡
竹内宏行
高原英生
発行年度 2013
要約 ヒラメ種苗放流では回収率向上の手段として放流種苗の大型化が有効と考えられているが、大型種苗の逃避能力が小型種苗より優れていることを実証した事例は乏しい。佐渡島真野湾の例ではイシガニの捕食が放流種苗の減耗に高率で関与していたことから、天然海域で採集したイシガニを用いてサイズが異なるヒラメ種苗の捕食状況を調査した。その結果、大型種苗が小型種苗よりも早くイシガニに捕食された。
背景・ねらい 放流効果向上への障害となっている初期減耗要因の一つとして被食が考えられる。佐渡島真野湾ではイシガニによる捕食が、ヒラメ種苗の減耗に高い割合で関与していることが報告されている(首藤ら2006)。捕食による減耗を軽減し、回収率を向上させる手段として放流種苗の大型化が有効であると考えられているが、大型種苗の逃避能力がより小型の種苗よりも優れていることを実証した事例は乏しいことから、天然海域で採集したイシガニを用いて、サイズが異なるヒラメ種苗の捕食状況を調査した。
成果の内容・特徴 試験には、平均全長9.0cmの小型種苗と平均全長13.0cmの大型種苗の2群のヒラメを用いた。捕食者として甲幅7.5~10.5cmのイシガニ5尾を用いた。100L水槽に砂を敷き、小型種苗、大型種苗各1尾とイシガニ1尾を収容し、どちらかのヒラメが捕食されるまで観察した。その結果、22回の試験のうち18回で大型種苗が小型種苗よりも早くイシガニに捕食された。

人為的な環境条件下ではあるが、今回の試験結果から放流種苗の大型化が必ずしも捕食による減耗軽減に有効ではないことが示唆された。
成果の活用面・留意点 ヒラメ種苗の放流効果の向上には、放流海域のアミ類等の餌料環境だけでなく、放流海域でのヒラメと捕食者との相互関係も重要と考えられる。
図表1 236285-1.jpg
図表2 236285-2.jpg
図表3 236285-3.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4630&YEAR=2013
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