山口県日本海沿岸域におけるメダイ漁獲量の減少とその原因

タイトル 山口県日本海沿岸域におけるメダイ漁獲量の減少とその原因
担当機関 山口県水産研究センター
研究期間 2007~2012
研究担当者 河野光久
発行年度 2013
要約 山口県日本海沿岸域において2009年以降メダイの漁獲量が激減した原因を解明するため、メダイの漁獲実態を調べた。その結果、漁獲物は1歳魚を主体として構成されること、および0歳魚の漁獲尾数が2008年をピークとして顕著に減少したこと等が明らかになったことから、漁獲量の減少は0歳魚の漁獲加入量の減少によって起きた可能性が高いと考えられた。
背景・ねらい メダイは1997年頃から山口県日本海沿岸域においてまとまって漁獲されるようになった重要魚種の1つであるが、2009年以降漁獲量が激減している。このため、メダイの漁獲実態を調べることにより、漁獲量減少の原因の解明を目指した。
成果の内容・特徴 ・本海域ではメダイは主に刺網で漁獲される。その漁獲量は仙崎市場における水揚量でみると、1998年以降増加傾向を示し、2009年には260トンと最高となった。しかし、その後減少に転じ、2011年以降は100トン以下に激減した(図1)。

・ 河野・繁永(2011)による年齢と尾叉長のデータ(1歳342mm、2歳465mm、3歳558mm、4歳629mm、5歳683mm、6歳724mm)から年齢―尾叉長キーを作成し、仙崎市場における水揚量を基に2007~2012年の年齢別漁獲尾数を調べた。漁獲尾数は漁獲量と同様に2009年をピークとしてその後顕著に減少した(図2)。年齢組成の推移をみると、各年とも1歳魚を主体として1~2歳魚の比率が76~92%と高かった(図2)。

・本種は5~7月の稚魚期に流れ藻に付随して本海域に来遊し、10~12月に漁獲対象サイズに成長し、漁獲されるようになる。10~12月の0歳魚の漁獲尾数は2008年の11千尾を最高としてその後減少し、2011年以降は200尾以下になった(図2)。

・当年の0歳魚の漁獲尾数と翌年の1歳魚の漁獲尾数との関係を調べた結果、両者の間には有意な正の相関が認められた(n=5、r=0.940、p<0.02、図3)。また、当年の0歳魚の漁獲尾数と翌年の総漁獲尾数との間にも正の相関が認められた(n=5、r=0.851、p<0.1)。

・以上の結果から、近年の漁獲量の減少は、0歳魚の漁獲加入量の減少によって起きた可能性が高いと考えられた。
成果の活用面・留意点 本海域におけるメダイの漁獲量は0歳魚の漁獲加入量に大きく影響されていると考えられることから、年齢別漁獲尾数を毎年把握しておけば、0歳魚の漁獲尾数から翌年の漁獲量を大まかに予測することが可能になるであろう。
図表1 236286-1.jpg
図表2 236286-2.jpg
図表3 236286-3.jpg
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4609&YEAR=2013
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる