タイトル | コウライアカシタビラメ種苗の大量生産に成功 |
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担当機関 | 岡山県農林水産総合センター水産研究所 |
研究期間 | 2011~2012 |
研究担当者 |
草加耕司 後藤真樹 岩本俊樹 弘奥正憲 小見山秀樹 |
発行年度 | 2013 |
要約 | 産卵期前に漁獲されたコウライアカシタビラメ親魚を養成し、自然産卵*により大量の良質卵を確保した。また、仔稚魚期の飼育条件を 検討し、受精卵の収容密度は18千粒/kL、ワムシ(餌料生物)の給餌密度は20個体/mL、飼育水温は17℃、24時間照明が良いことを明らかにした。 さらに、40kL水槽で量産試験を実施し、45日間の飼育で全長22mmの稚魚7.7万尾を生産する技術を確立した。 |
背景・ねらい | コウライアカシタビラメは浅海の砂泥底に生息する異体類で、小型底びき網漁業の主要対象種であるが、近年、その漁獲量が減少傾向に転じている。そこで、種苗放流による資源維持に備えて、種苗生産技術を開発した。 |
成果の内容・特徴 | 1.良質卵の大量確保 産卵数か月前から小型底びき網で漁獲した親魚をアオゴカイ(釣餌用ゴカイの一種)とオキアミを餌に飼育(短期養成魚)し、14~20℃の水温下で自然産卵*による良質卵の確保が可能と分かった。また、1年以上養成した親魚(長期養成魚)でも同様に採卵が可能であった(図1)。 *自然産卵:雄と雌が海水中で自然に放卵、放精を行うこと。 2.初期飼育条件の検討 0.2kL小型水槽を用いた比較試験により仔稚魚の飼育条件を検討した。受精卵の収容密度は18千粒/kL前後、ワムシ給餌密度は20個体/mL、飼育水温は17℃、初期飼育は24時間照明が良い等の好適飼育条件を明らかにした(図2)。 3.量産試験 40kL大型水槽で量産試験を実施し、45日間の飼育で全長22 mmの稚魚7.7万尾を生産した。生残率は10%前後で、ほぼ量産の見通しが得られた(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 本種は、生物餌料のワムシとアルテミア幼生のみで約40mmまで成長することを確認したが、今後、配合飼料の利用による飼育の簡素化を検討する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4495&YEAR=2013 |
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